
造成工事が進んでいる日田キヤノンマテリアルの工場建設用地=17日、日田市西有田
キヤノン(東京)は十七日、日田キヤノンマテリアル(日田市西有田)の着工を半年間延長する方針を明らかにした。世界的な経済情勢の悪化から、好調だったトナーカートリッジなどの需要の伸びが鈍化したため。生産規模や雇用計画に影響はないとしている。
日田キヤノンマテリアルは、キヤノングループのキヤノン化成(本社・茨城県つくば市)が全額出資した子会社。ローラーなどの高機能部品を生産する。造成される二十九ヘクタールの予定地のうち、六ヘクタールは既に整備を終え、十二月から着工の予定だった。計画変更に伴い、着工は来年六月、操業開始も二〇一〇年三月へと半年間先延ばしする。
キヤノン本社によると、〇七年十二月期の出荷先は国内が20%、アフリカ、ロシア、中東を含む欧州が33%、米地域が30%など。サブプライムローンに端を発した世界的な経済の停滞から欧米向けが特に苦戦している。「ここ数年、年率10%台だった伸びが一けたに鈍化した。対前年実績では生産増になるが、当初計画を見直して生産調整する必要に迫られている」と説明する。
日田キヤノンマテリアルの投資額四百億円、雇用者数五百人(一一年を目指す第一期計画)は当初のまま。現在、計百七十二人が採用か内定済みで、一部はキヤノン化成で研修中という。
広瀬勝貞知事は「今回の決定はあくまで半年の延期で雇用への影響はないと聞いている。日田市とともに、引き続き受け入れ態勢の整備に取り組む」とのコメントを出した。
環境整備、予定通りに
佐藤陽一日田市長の話 世界経済に急ブレーキがかかっている状況下ではやむを得ない。雇用に関しては変更がないということで安心している。関連の公共事業や地元から要望のあった環境整備については予定通り実施する。
前向きにとらえたい
小埜澄夫日田商工会議所会頭の話 予期していなかったので驚いた。取引参入を目指す地場企業にとっては、態勢を整えるのに時間的余裕ができたと前向きにとらえたい。
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