
映画「ご縁玉」について話す江口方康監督=12日、東京・坐来大分
自らの乳がんも教材に「いのちの授業」を続けている豊後高田市の元養護教諭、山田泉さん(49)が主人公のドキュメンタリー映画「ご縁玉 パリから大分へ」が、全国に先駆けて十五日から二十一日まで大分市のシネマ5で上映される。舞台あいさつのためフランスから一時帰国した江口方康(まさやす)監督(44)に、東京都内で話を聞いた。
―がんの転移を知った山田さんが、フランスを旅した際に出会った国際的なチェロ奏者エリック・マリア・クテュリエさんとの交流を描いた作品。映画化のきっかけは。
江口 二人とは共通の知人を介し、パリで偶然に知り合いました。エリック・マリアはベトナム戦争の孤児で、育ての親を山ちゃん(山田さん)と同じ病気で亡くしていました。わずかな間しか会っていない山ちゃんにチェロ・セラピーをするため、遠く離れた豊後高田に行くという彼の話に人と人との縁 を感じ、映像に残したいと思いました。
―パリでの別れ際、山田さんはエリック・マリアさんに五円玉を渡し、その縁に導かれるように豊後高田を訪ね、児童養護施設やホスピスなどで触れ合いを深めていきますね。
江口 二人はJR宇佐駅で再会するのですが、最初はフランス人 なら当たり前の抱擁ではなく、控えめに握手をします。言葉が通じない中、エリック・マリアは音楽で、そして山ちゃんは笑顔とか全身でコミュニケーションを図ります。互いの距離が次 第に縮まっていく様子を見てほしい。
―映画に込めた思いは。
江口 人を思いやる気持ちや優しさは、言葉とか形にならなくても自然に伝わっていくということです。
―豊後高田の景色もたくさん出てきます。
江口 私も石造文化財や素晴らしい自然に魅せられました。大分の人には映像を通して古里の良さも再認識してほしいですね。
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