
マラソンT52男子で優勝した上与那原寛和
「きつかった」。マラソンT52男子で優勝した上与那原寛和(37)はレースの感想をひと言で語ると、白い歯を見せた。互いに「仲の良いライバル」と認め合い、前回大会は同クラスで2位だった高田稔浩(43)を抑えて初の栄冠に輝いた。
昨年は同クラス3位、国内選手で2位だった。十分な実績から優勝候補に挙がっていたが、「上位の選手にがむしゃらに付いていき、完走だけを目指した」という。
謙虚な発言には理由がある。9月に北京パラリンピックのマラソンT52で銀メダルを獲得した後、十分な調整ができなかった。「自分としては70パーセントの仕上がりで大会に臨んだ」という。さらに、沖縄県車いす陸上クラブ「タートルズ」の上与那原にとって、当日の寒さと風雨はこたえた。
優勝を意識したのは終盤。「沿道からの声援が力になった。『頑張れ』と言われたら、手を止められないでしょ」と笑った。「体力もテクニックも要求されるこの大会は自分を磨く最高の場」と言い切り、連覇を誓った。
T51は完走者なし
障害が最も重いマラソンT51男子には4人が出走したが、完走者はいなかった。寒さに加え、4カ所あるチェックポイントのうち、交通規制の関係などから30キロ地点の最終通過時間を昨年より10分繰り上げたことが響いたようだ。
昨年同クラスで優勝したハインリッヒ・クーベール(62)も同地点で失格。「あと1分あれば30キロを通過できた。体調はよく、フィニッシュする自信もあったんだが」と、がっかりした表情。
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