
いいちこ日田全麹のこだわりについて語る赤松健一郎三和酒類社長=6日、宇佐市の三和酒類
三和酒類(宇佐市、赤松健一郎社長)は、仕込みのすべてに大麦麹(こうじ)だけを使った麦焼酎の新商品「いいちこ日田全(ぜん)麹(こうじ)」を十一日、発売する。高付加価値原酒の製造蔵である日田蒸留所(日田市)で醸造し、水郷・日田を全国に発信する。今年は同社の創業五十年、「いいちこ」発売三十年の節目に当たっており、「全麹」をいいちこシリーズの新たな柱と位置付け、安定成長期に入った焼酎市場の活性化を目指す。
いいちこは一次仕込みに大麦麹、二次仕込みは大麦を加えてブレンドするオーソドックスな製法が主体だが、「全麹」は一次、二次とも大麦麹だけで仕込む。同社は製品にまろやかさを出すため、一九八七年から全麹の研究を始め、八九年から一部の商品に採用。高級焼酎「いいちこ・フラスコボトル」も全麹仕込みで醸造している。
全国的に見ると、麦焼酎の全麹仕込みはほかにもあるが、手間やコストが掛かるため数は少ないという。今回は全麹という付加価値を同社が磨いてきた麹の技術力を生かし、消費者にリーズナブルな価格で届け、差別化を図るのが狙い。アルコール度数は二五度。希望小売価格は一・八リットル入りが千八百十円、九百ミリリットル入りが九百六十三円(税込み)。
赤松社長に聞く
業界では原材料高騰による製品価格の引き上げで、一部に消費者の買い控えが起きるなど厳しい面も見える。この時期の商品発売の背景や差別化策を赤松社長に聞いた。
―「全麹」発売の背景は。
焼酎の市場が(高いレベルながら横ばいの)安定成長期に入った。企業としては継続的発展が望ましいが、それは買ってくれる消費者があってのこと。メーカーとして品質や技術力をお客さまに問うていきたい。
―どのような商品か。
焼酎の初心者からいろいろなタイプに飲み慣れている人まで、幅広く満足していただけるよう、時間をかけて商品性を煮詰めてきた。「いいちこ」の「飲みやすくすっきり」に対し、全麹は「飲み応えのある重厚感」を前面に出した。
―商品名に「日田」を入れた理由は。
周囲の環境や地域の文化が背景にあってこの商品ができた。水郷・日田の魅力を自信を持って全国に広めたい。
―全麹のこだわりは何か。
この値段なら買ってもいいなと思ってもらえる値ごろ感。いいちこと希望小売価格で比較して一・八リットルで十八円、九百ミリリットルで十二円高いが、それ以上の付加価値を感じていただけると思う。
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