由布市庄内町野畑地区の農道で今月中旬、イノシシ駆除を目的に地元の猟友会が地区内の山中に放した猟犬が、近くに住む四十代の女性が散歩させていた飼い犬(中型の雑種・八歳)を襲っていたことが三十一日までに分かった。女性にけがはなかったが、飼い犬は数カ所をかまれて傷を負った後、姿が見えないという。
女性によると、今月十九日午前十時半ごろ、自宅近くを犬と散歩中、背後から現れた大型の猟犬二匹が連れていた犬に襲いかかり、首などにかみついた。騒ぎに気付いた女性の母親(69)が現場に駆け付けると、猟犬はいったん現場を離れた。しかし、自宅に逃げ帰った後も再び追ってきたため、大声を出すなどして抵抗したという。
市猟友会によると、当日は市から有害鳥獣捕獲事業を委託された同会庄内支部の十人が猟犬三匹を投入し、同地区の山中で駆除に当たっていた。猟犬に装着していた無線機を通じて女性の叫び声を聞き、猟犬が民家の近くに下りていることに気付いたという。
女性は「事前にイノシシ駆除の周知はなく、自宅の近くで猟犬に襲われるとは思わなかった。怖くてどうすることもできなかった」とショックを隠せない様子。飼い犬は襲われた後、警戒心が強くなり、同日午後に自宅から逃げ出したという。
近くの農業の男性(69)は「子どもや高齢者が猟犬と遭遇したらどうするのか。イノシシ駆除の必要性は分かるが、猟犬が民家に近づかないよう管理を徹底すべきだ」と指摘する。
市農政課は「イノシシの駆除に猟犬は不可欠。猟友会に安全の確保と猟犬管理の再確認を伝え、再発防止に努める」と話している。
県内では十月上旬、大分市下白木で猟犬が民家に入り込み、飼い猫をかみ殺す被害があった。
十一月一日からはイノシシ、シカの狩猟が解禁される。県森との共生推進室は「農業被害を考えると鳥獣駆除は非常に重要。狩猟には訓練した猟犬を使うなど事故防止対策を徹底してほしい」と呼び掛けている。
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