大分県の教員採用試験などをめぐる汚職事件で、初めての判決公判が三十日、大分地裁であり、宮本孝文裁判長は採用試験で口利きによる不正が横行していたことを認定。贈賄罪に問われた元小学校長、浅利幾美被告(53)に対し「組織絡みの不正に対する社会的非難を被告一人に負わせるのは相当でない」として、懲役一年二月、執行猶予三年を言い渡した。
判決理由で宮本裁判長は「本来不合格となるべき受験者が口利きによって合格しているなど不正のうわさがある中、自分の子どもを何とか合格させたいという親心は理解できなくはない」としたが「わいろを供与するという、口利きとは質的に異なる犯罪行為に及んでおり、動機に酌むべき点はない」と指摘。
さらに「当時、小学校の教頭という要職にあった浅利被告が県教委幹部にわいろを贈るという犯行が社会に与えた衝撃は大きい。わいろも多額で悪質だ」と非難した。
判決によると、浅利被告は二〇〇八年度小学校教員採用試験で、受験した長男と長女の採用に便宜を図ってもらおうと、昨年八月と十月、採用試験を総括する立場だった元義務教育課参事、江藤勝由被告(52)=収賄罪で分離公判=に現金など四百万円分のわいろを贈った。
県教育長「厳粛に受け止めている」
教員採用をめぐる汚職事件で初めての判決が出たことを受け、県教委の小矢文則教育長は三十日夜、「判決を厳粛に受け止めている」と述べた。
教員採用をめぐる不正が組織的に行われていたことを司法が認定したことについて、「反論できない重たい発言だ」。ただ、口利き問題などの再調査については「捜査も(別の)公判も続いている。事実が明らかになれば調査するが、現段階では考えていない」と、従来の発言を繰り返した。
浅利被告が校長を務めていた学校がある佐伯市では、同市の武田隆博教育長が「判決について真摯(しんし)に受け止めたい。佐伯市の教育に対する信頼回復に向けて、最大限の取り組みを行いたい」とコメントした。
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