大分県の教員採用をめぐる汚職事件で、贈賄の罪に問われた元小学校長、浅利幾美被告(53)の判決公判が三十日、大分地裁であり、宮本孝文裁判長は懲役一年二月、執行猶予三年(求刑・懲役一年二月)を言い渡した。一連の汚職事件で判決の言い渡しは初めて。
判決によると、浅利被告は二〇〇八年度の小学校教員採用試験で、受験した長男と長女の採用に便宜を図ってもらおうと、採用試験を総括する立場だった元県教委義務教育課参事、江藤勝由被告(52)=収賄罪で公判中=にわいろを供与。〇七年八月九日、別府市内のホテルのレストランで商品券百万円分を、同十月十四日には同市南荘園町の江藤被告の自宅で、合格の謝礼として現金三百万円を贈った。わいろの授受に同席し、浅利、江藤両被告を仲介した元同課参事矢野哲郎被告(52)も、贈賄罪の共犯として公判中。
判決理由で宮本裁判長は「社会に与えた衝撃は大きく、大分県の教育界に対する国民の不信感をぬぐいがたいものにした。結果は重大。ただ、かねてより採用試験で口利きによる不正が行われ、そうした組織絡みの不正に対する社会的非難を被告一人に負わせるのは相当ではない」とした。
浅利被告は七月十五日付で懲戒免職処分となった。子ども二人はいずれも今春、教諭に採用されたが、江藤被告の不正な点数操作によって合格した長男は八月二十六日付で辞職。点数の改ざんを受けず、実力で合格した長女は現在も教諭を続けている。
公判で浅利被告は「前年度の採用試験で、県教委幹部が自分の子どもを採用させたと聞いた。実力だけで合格するのは難しいと思った」と動機を語り、「冷静な判断ができなかった。多くの人に迷惑を掛けた」と反省の言葉を口にしていた。
これに対し、検察側は「公務の公正さを損ない、大分県の教育界に大きな打撃を与えた」と指摘。弁護側は「動機は子どもを教員にしたいという”親心”。既に社会的制裁を受けている」として、執行猶予付きの判決を求めていた。
浅利被告は控訴しない意向。
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