ここ数年、好調が続いた大分県の企業立地に急ブレーキがかかっている。本年度は二十九日現在、九件(昨年度上期は十四件)で、投資総額もしぼんだ。世界的に景気が後退局面に入り、下期も誘致環境は厳しさを増す可能性が強い。県は大規模立地を促す補助金引き上げを含め、戦略の見直しを迫られそうだ。
県によると、好調だった二〇〇六年度は二十九件、〇七年度は二十七件を誘致。〇七年度は東海ゴム工業(豊後高田市、投資額八十三億円)、キヤノン(日田市、八百億円)など大型誘致が相次ぎ、投資総額も千四百三十億円に上った。ところが、今年四月以降の立地企業の投資総額は約三十億円。八月末まで立地ペースは、九州では鹿児島県と並んで下から二番目だ。
経済産業省が七月にまとめた企業の立地満足度(〇六年度の立地企業が対象)で、大分県は全国一位。窓口を一本化して問い合わせに迅速対応するワンストップサービスや、立地後のフォローアップが評価された。それだけに県は「景気悪化だけを理由にしたくない」とショックを隠せない。
しかし、誘致の大半を占めていた自動車分野は、九州の生産台数が四年ぶりに前年割れする見通し。強い逆風が吹き始めた。県北で来春から操業を始める部品メーカーは「今後の新規投資は”嵐が過ぎ去るまで”と先送りに傾くのが普通だろう」とみる。「うちは既に乗り掛かった船。厳しい中での投資だが、近い将来、効果は必ず出るはず」と話した。
各県の誘致競争は激しい。大分県は設備投資が八十億円を超える場合に支出する大規模投資促進補助金(十億円)=大分市は五億円=を含めた立地補助制度の見直しも検討する。
県商工労働部は「大分の限度額は全国二十九位。東京事務所の誘致担当者らから、せめてライバル県と同じ土俵で戦える額にと強い要望がある」と説明。県財政も厳しい折、誘致戦略見直しは慎重な検討が必要になりそうだ。
[PR]セントラル短資FX
※無断転載を禁じます。 当ホームページに掲載の記事、写真等の著作権は大分合同新聞社または、情報提供した各新聞社に帰属します。
Copyright (c) 2008 OITA GODO SHIMBUNSHA