
解散が先送りされる見通しとなり、選挙戦略の見直しも必至。各出馬予定者の事務所も対応に追われた=28日、大分市内
麻生太郎首相が解散・総選挙を当面見送る意向を固めたことは大分県内の政党関係者にも波紋を広げた。自民党は金融危機に積極的に取り組む姿勢を評価している。ただ、連立を組む公明党は早期解散を望んでいただけに複雑な表情。野党は「金融危機は口実。支持率の低迷が本音だ」と先送りを厳しく批判している。
自民党県連の志村学幹事長は「国民の不安解消を優先する最も賢明な判断。しっかりとした対策を実行してほしい」と期待する。解散時期については「(景気)対策の成果を国民に実感してもらった上で信を問えばいい。任期満了(来年九月十日)近くまでいくべきだ」と主張。麻生政権が国民の審判を受けていないという批判には「衆院の任期は四年だ」と反論する。
公明党県本部の竹中万寿夫代表は「金融不安、経済情勢を考えるとやむを得ない」と受け止める。一方で「福田康夫前首相は与党が解散・総選挙に打って出る状況を整えるために辞めたようなものだ。総選挙の機会を逸したことで支持率が”じり貧”になり、政権運営が行き詰まらないか心配」と懸念を隠さない。
民主党県連の吉良州司代表は「首相は就任直後に解散する意向だったはず。内閣支持率が低迷し、自民党の世論調査で選挙情勢の見通しが芳しくなかったためで、金融危機は言い訳だ。国民に信を問わない政権に正当性はない」と厳しく批判。「いつ解散してもおかしくないと想定して準備を進める」と気を引き締める。
共産党県委員会の林田澄孝委員長は「解散を先延ばししても景気はますます悪化し、自民党への批判が強まるのは明らかだ」と世論の動向を予測。社民党県連合の重野安正代表は「多くの国民にとっては株安よりも、小泉政権以降の政治の信を問う方が重要だ」と早期解散の必要性をあらためて強調した。
国民新党県支部の後藤博子支部長は「世界的な課題に取り組むには、まず解散・総選挙で国内の政治基盤を安定させるべきだ」と指摘している。
解散・総選挙先送り見通し 各陣営の反応
年内の解散・総選挙が見送られる見通しになり、早期の選挙を想定して準備を進めてきた県内の各出馬予定者の陣営は態勢の見直しを迫られている。選挙が先送りになることで事務所を維持する資金のやりくりや支援者の士気の低下を懸念する声が上がっている。
大分2区に出馬する比例九州現職の陣営は投開票日から逆算してスケジュールを組んでいた。幹部は「集会や個人演説会を予定していたが、延期せざるを得ない」と選挙日程が定まらないことにいら立ちを感じている。
3区に出馬する比例九州の現職は十九日に事務所開きを済ませた。陣営関係者は「事務所開きで盛り上がり、そのまま選挙になだれ込むのが一番だったが…。間延びしてしまうと気持ちの維持が難しい」との嘆き節も。
1区に出馬予定の新人陣営は「ようやく士気が上がってきたところ。気持ちが緩む不安もあるが、選挙までの時間が増えれば、やるべきことはたくさんある」(選対本部長)と前向きにとらえる。麻生太郎首相が先送りを正式に表明すれば、選対会議を開いて態勢の見直しを話し合う方針だ。
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