二〇〇八年度の教員採用試験で不正に合格したとして採用を取り消され、大分市内の小学校で臨時講師をしている男性(23)が、県教委を相手取って損害賠償請求訴訟を起こすことを検討していることが二十六日、分かった。男性は「民事訴訟を通して、口利きなど不正の実態を明らかにすることが必要」と話している。
男性は初受験で合格し、大分大学を卒業後、今年四月から小学校に教諭として勤務。しかし、八月に県教委から不正採用だったと通知を受け、辞職の道を選ばなかったため九月七日、採用取り消しになった。
男性から相談を受けた弁護士によると、男性は不正合格の経緯について県教委から明確な説明を受けていない。さらに、不正採用されたため今年の採用試験は受験できず「一年を棒に振った」として、損害賠償や地位保全を求めて提訴を検討中という。
男性は大分大学の元教授(64)が教員を目指す学生を対象に実施していた自主勉強会に参加していた。大学の内部調査では、元教授は合格発表前に勉強会に参加した学生のリストを県教委教育審議監の富松哲博被告(60)=収賄罪で起訴=に送った。リストのうち六人が不正合格だったとされる。
元教授は口利きについては認めていないが、九月二十二日付で辞職。おおいた市民オンブズマンは元教授が不正採用を依頼したとして、地方公務員法違反(不正任用)の疑いで同二十六日、大分地検に告発した。
男性は「一連の汚職事件の刑事裁判では口利きを依頼した人物のリストも開示されず、不正の実態が全く明らかになっていない。小矢文則教育長ら県教委幹部への処分は甘い」と述べ、民事訴訟を通して事件の真相解明と県教委の責任追及を行う考えだ。
二〇〇八年度は二十一人が不正採用とされ、十五人が自主退職、六人が採用取り消しになった。男性以外にも民事訴訟を模索する動きがあるという。
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