県が二十日に発表した来年度の予算編成方針、県政推進指針、中期財政収支見通しの概要は次の通り。
<来年度予算編成方針> 政策予算と部局枠予算 要求枠20%減
要求枠(シーリング)を本年度よりさらに絞り込みながら、予算の「選択と手中」を一層進める狙いがある。特別枠の「おおいた挑戦枠」は高齢者や障害者の暮らしを支える仕組みづくり、子どもの学力・体力の向上などの事業に充てる。
本年度当初予算と比べた要求枠は、政策予算と部局枠予算が20%減で、本年度(15%減)より厳しくした。地域の活力や防災などに役立つインフラ整備を進めるため、投資的事業には配慮。県単独道路事業は本年度と同じ10%減。国の補助事業は10%減(本年度は3%減)だが、東九州自動車道など直轄事業への地方負担は3%減にとどめた。
県財政課によると、来年度は財源確保のために財政調整用基金の取り崩しに加えて、要求枠の絞り込みで四十―五十億円をひねり出す必要があるという。
挑戦枠の十億円は「政策予算の20%減の分よりやや多い程度」(財政課)で、実質的な政策予算の総額を確保しながら、事業の洗い直しと入れ替えを進める考え。
将来を見据えた「構造改革と新たな仕組みづくり」を基本に▽新型インフルエンザなど新たな危機や県民の不安への対応▽低炭素社会の構築と石油、輸入穀物などへの依存体質からの脱却―といった六テーマを示して、各部局から予算要求を募る。
<県政推進指針>「県教育の再生」明記 人事改革も本格着手へ
「安心・活力・発展」の県政スローガンに沿って設けた八つの戦略テーマの一つに「県教育の再生」を明記した。二酸化炭素(CO2)排出削減に向けた県独自の仕組みづくりに取り組み、小規模集落対策にも力を入れる。
教育再生では「教育の原点に立ち返り成果を挙げることが重要」として、豊後高田市が地域の協力を得て取り組んでいる休日や夏休みの学習支援を全県的に実施するといった学力向上策を前面に打ち出した。全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の市町村別結果については「市町村の自主的公表を促進する」とした。県教委汚職の温床となった人事をはじめとする教育行政システムの改革にも本格着手する。
地球温暖化対策のため、県独自のCO2排出削減策を推進。レジ袋の有料化に全県的に取り組むほか、エコマネー「めじろん」の成果を継承・発展させ、排出削減活動に協力した住民、企業が何らかのサービスを受けられる仕組みづくりを検討する。
高齢化率が50%を超える小規模集落は県内に四百四十四ある。県土、水源の保全に重要な役割を果たしており、市町村やNPOなどと連携しながら集落の維持・活性化に取り組む必要性を掲げた。住民への輸送サービスが公共交通機関だけでは不足する場合、NPO法人などが行う「過疎地有償運送」への支援などを盛り込んだ。
<中期財政収支見通し> 10年度には赤字 財政調整用基金が枯渇
現行の行財政改革プラン後の対応を検討するために、七、八月に国が発表した経済見通しなどを基にして再試算した。経済が安定成長した場合でも、二〇一〇年度に貯金に当たる財政調整用基金をすべて取り崩してもなお財源が四十九億円不足するなど、三月に発表した前回の試算よりさらに厳しい内容になった。
低成長を含む二つの成長パターンを想定して試算した。歳入、歳出の傾向は同じで、県税収入は〇八年度の水準(千二百七十五億円)を下回る。地方間の税収格差是正のため地方法人特別譲与税が〇九年度から配分されるが、地方交付税はさらに減少し、歳入全体が落ち込む。
歳出は人件費が定数削減などで減少するが、社会保障費の増大で扶助費は増え続ける。投資的経費を毎年3―4%落としても歳出全体の抑制は小幅にとどまる。
いずれの場合でも〇九―一一年度は毎年度、百億円以上の財源不足が生じる。〇七年度末に三百七十六億円あった基金残高は一〇年度に底を突く。
米国発の金融危機に起因した景気減速の影響が深刻化する恐れも出てきた。広瀬勝貞知事は「現状は低成長の想定に近づいているが、それより悪化することも考えておかないといけない」と厳しい見方を示した。
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