大分県教委が実施した二〇〇八年度の小中学校長、教頭昇任試験に合格した計百三十八人のうち、半数近くに得点の改ざんがあったことが二十日、関係者の話で分かった。一連の汚職事件の公判では、教育審議監、富松哲博被告(60)=収賄罪で起訴、起訴休職中=が不正な加点を部下に指示していたことが判明しているが、県教委は「手持ちのパソコンや紙データだけでは、信ぴょう性が確認できない。公判の推移を見た上で(再調査するかどうか)判断する」と、独自調査には消極的だ。
改ざんのあった試験データは、当時、富松被告の部下で得点集計などを担当していた元義務教育課参事、江藤勝由被告(52)=収賄罪で公判中=のパソコンに残っていた。県警が六月に押収した後、七月末に県教委へ返却された。
県教委は「校長、教頭は、必ずしも点数だけで合否が決まるわけではなく、市町村教委の評価などによって、得点が低い人も合格することがある。改ざんには、教育長や教育委員への説明に困らないよう、調整したケースもある」としている。
しかし、汚職事件の公判では、富松被告が〇八年度校長試験で、特定受験者の得点を不正操作するよう、江藤被告に指示。富松被告は二次結果一覧表の欄外に「プラス○○点」と具体的に書き込み、加点を求めたことが明らかになった。
関係者によると、同年度の校長、教頭試験では、富松被告は多数の「口利き」を受けていたとされる。現職の学校幹部や県議らが橋渡し役となって受験者の昇任を富松被告に働き掛けたケースも多いという。
口利きを依頼した受験者や仲介役の学校幹部らは、県教委プロジェクトチーム(PT)が行った調査に事実関係を申告していない。PT担当者は「口利きがあったかどうか、昇任にどう影響を与えたかは、申告がなければ分からない」としており、自己申告頼みの調査が、不正の全容解明につながっていないことも露呈した形だ。
【2008年度小中学校長、教頭昇任試験】 昇任試験を受ける際には、教育事務所や市町村教委の推薦が必要。校長は297人が受験。今年1月に1次の筆記と論文、2次の面接があり、74人が合格。教頭は501人が受験。昨年11月に実施した筆記、論文の1次に合格した約半数が12月の2次面接に進み、64人が合格した。試験をめぐっては、贈賄罪で佐伯市内の元教頭2人と元義務教育課参事、矢野哲郎被告(52)が起訴され、元校長(教頭に降格)1人が起訴猶予となった。江藤被告も収賄罪で起訴された。元教頭2人と元校長は、いずれも江藤被告によって加点を受けていた。
[PR]セントラル短資FX
※無断転載を禁じます。 当ホームページに掲載の記事、写真等の著作権は大分合同新聞社または、情報提供した各新聞社に帰属します。
![]()