
今月から業務を始めた全国健康保険協会(協会けんぽ)で窓口業務をする職員
主に中小企業が加入する政府管掌健康保険(政管健保)の管轄が、十月から社会保険事務局から公法人の全国健康保険協会(協会けんぽ)に移った。現在、全国一律の保険料率(8・2%)は各都道府県単位で決まる。県内は他県よりも速いペースで高齢化が進んでおり、今後、医療費の増大が見込まれる。年金など社会保障費の料率アップも続いており、保険料も上がれば家計を直撃することになりそうだ。
同協会大分支部は、収支のバランスなどを考慮して来年十月をめどに新料率を適用する予定。保険料収入は主に医療費の支払いに使われるため、料率は高齢化率などの影響を大きく受けることになる。
国勢調査(二〇〇五年)によると、六十五歳以上の高齢者が全人口に占める割合を示す高齢化率は大分県が24・2%で全国九位。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口では、三五年には35・6%の超高齢社会になると予想されており「今後、医療費の増大は避けられない情勢」(県国保医療班)となっている。
大分支部は「新料率は、県別の具体的データを分析して評議会などで詰めていきたい」としているが、〇九年度には協会全体で千八百億円の赤字になると見込まれており、今の料率で収支のバランスを図るのは厳しいとみられる。
厚生労働省が〇三年の医療費を基に試算した料率では、大分県は8・3%。一番低い長野県と0・7ポイント差となった。
協会けんぽは医療費の適正化を目指しており、レセプト(診療報酬明細書)点検の効率化や特定保険指導など予防医学を推進し、総額の抑制を進める。しかし、全国保険医団体連合会(東京都)は「五年間の激変緩和措置が終了すれば、保険料の自治体格差が著しく広がる可能性がある」と指摘する。
県は「医療費を抑えるのにも限界がある。健康保険組合や国民健康保険などほかの公的保険も含め、保険制度全体をどうしていくのか県民一人一人が考えていく必要がある」としている。
全国健康保険協会(協会けんぽ) 公的保険の一つで、主に中小企業の従業員が加入している。県内では約1万7400事業所、被保険者と被扶養者合わせて約42万人(2007年度)が加入しており、現在の保険料率は8.2%(労使折半)。主な業務は、給付や健康診断、医療機関から出されるレセプトの点検など。06年度の政管健保の収支(県内分)は、保険料などでの収入が約700億円、県内の医療機関に支払った医療費は約633億円。
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