
講演する辻井教授=19日、大分市の県総合社会福祉会館
発達障害の理解、啓発を進めているNPO法人アスペ・エルデの会(本部・名古屋市)は十九日、大分市大津町の県総合社会福祉会館で、発達障害のある成人とその家族を対象にしたワークショップ(研究集会)を開いた。県内外から約五十人が参加した。
二〇〇五年に発達障害者支援法が施行されたが、既に成人期にある人や、その家族は「この年齢になって、どう利用していいのやら」と考えるケースが多いため、福祉サービス制度に乗りにくく、支援者らと結び付く機会が少ない。
ワークショップでは家族と発達障害のある本人を対象に、発達障害のとらえ方や、周囲と適応した生活を送るための学習方法を学んだ。
同会の統括ディレクター理事長の辻井正次・中京大学教授(発達臨床心理学)が講師を務めた。発達障害がまだ正しく理解されていない状況や、診断できる医師が少ないこと、また、発達障害の診断が遅れ、二次的な精神疾患を合併したり、引きこもったりするケースが多いことなどを紹介。
「脳機能の情報処理の違いで、一人一人、適応の水準が異なる。発達障害は『障害』というよりも『体質』ととらえる方がフィットする。(場面や状況に応じた)行動がうまくできれば、生活をもっと楽にすることができる」と話した。
この後、グループ討議。家族向けの講座では「いいところ」「努力しているところ」など、行動から子どもの現状を把握していく方法を学んだ。
参加者の一人は「子どもも四十代、五十代になると、どこに、誰に相談していいか分からなくなる」と悩みを打ち明けた。辻井教授は「助けを求めるのは決して恥ずかしいことではない。人とつながっていくことが大事だ」と強調した。
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