(左から)二宮ふじ子さん、ノーマン・ブリットさん、リン・ブリットさん、雲野まり子さん(再会した鹿児島県で=二宮さん提供)
「四十一年ぶりに会いませんか」―。大分市皆春の二宮ふじ子さん(59)=主婦=の元にイギリス・リンコンシャー州から一通の手紙が届いた。差出人はノーマン・ブリットさん(59)。二宮さんが高校時代、わずか数時間だけ交流した相手だった。長い空白を経て鹿児島で再会したブリットさんの手には、二宮さんが贈った東京五輪の記念硬貨が握られていた。
二宮さんは高校三年のとき、友人と三人で別府市にイギリス海軍の船を見に行った。その折、片言の英語で話し掛けた男性がブリットさんで、乗組員の一人だった。別府市内を案内し、たまたま持っていた記念硬貨をプレゼントした。
翌日、友人の雲野まり子さん(60)=東京都在住=が三人の住所を書いたメモを船に預けた。しかし、連絡はなかった。
ところが今年五月、ブリットさんから手紙が届いた。妻リンさん(58)との結婚四十年を記念する船旅で、十月三日に来日すると書かれていた。
「最初は何のことか分からなかった」と二宮さん。手紙の和訳が進むにつれ、青春時代の思い出がよみがえってきた。雲野さんと二人で、寄港地の鹿児島県へ向かった。英国旗を掲げて夫妻を出迎えた。「すぐに分かった。感動が言葉にならず、抱き合った」という。
電子辞書を頼りに英語で話し、観光も楽しんだ。「何だか親せきになったみたい」と言うほど親しくなった。だが、あっという間に時間は過ぎ、再会を誓って別れた。
四十一年前のモノクロ写真と、鹿児島で映ったカラー写真を手に、「記念硬貨を大切に持っていてくれたことがうれしかった。英語を勉強し、次はわたしがイギリスに行きます」。二宮さんに、新たな目標ができた。
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