論文の試験に臨む受験者=11日午前、県公文書館
二〇〇七年度教員採用試験で不正のあおりで不合格となった受験者を救済するための特別試験が十一日午前、大分市の県公文書館であった。合格すれば、来年四月一日付で「教諭」として採用される。
対象者二十三人のうち、受験を希望した二十二人(小学校十人、中学校十二人)全員が論文と面接の試験に挑んだ。会場に入った受験者は、やや緊張した面持ち。試験前には、三浦徹夫県教委義務教育課長が「汚職事件で教育への信頼、現場の努力が一瞬で崩れた。責任の重さを感じている」と謝罪した。
受験した二十二人中、十七人は臨時講師などとして現在も学校現場にいる。残る五人は民間企業などに勤務している人たち。
試験結果のデータ入力・集計作業は〇九年度採用試験同様、県人事委員会が行う。合格ラインは事前公表しないが、既に教育委員に伝えているという。合格発表は二十一日で、直接本人に通知する。
〇七年度採用試験をめぐっては、元県教委義務教育課参事の江藤勝由被告(52)=収賄罪で公判中=が改ざん。県教委がデータを復元し、二十三人の点数が改ざんされていたことは分かったが、不正のあおりで不合格となった受験者全員を無条件で救済採用した〇八年度に比べ、「復元データの精度が低い」として、特別試験をすることにした。
一方、約四十人いたとされる不正合格教員については、採用取り消しなどの処分を見送っている。
県内の小学校で臨時講師をしている二十代の女性。九月下旬に県教委から連絡があり、二〇〇七年度の採用試験で、不正のあおりを受けて不合格になり、救済対象であることが告げられた。十一日、特別試験に臨んだ。
「本当はもっと早く教員になれていた。それを思うと悔しい。(〇七年度は)自信を持って試験に臨み、手応えもあった」と女性。「採用試験に合格していない『臨時講師』の立場は苦しい。自分も苦しいし、親や周囲のことを考えても、一連の汚職事件はあまりにも罪深い」
過去の採用試験で、二次試験に進めなかったことはない。「やっぱり、コネがいるのだろうか」と同じく教職を目指す友人と話したこともあるという。女性は「不正が明らかになり、特別試験を受けられることになったのは幸運」と感じながらも「前々から不正があったのに、〇六年度以前の被害者には救済措置がないことを思うと、手放しでは喜べない」と、複雑な心境だという。
特別試験に関しては「どんな試験なのか。合格したとして、〇七年度以降の二年間について、何か対応してもらえるのか。分からないことばかり」と不安も残る。しかし「来年の春、『先生』として堂々と子どもたちの前に立つため、精いっぱい頑張りたい」と話した。
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