検察側、表現あいまい
腐敗した県教委の中で、自らも不正に手を染め、ついには収賄罪で法廷に立たされた元県教委教育審議監の二宮政人被告(61)。十日、大分地裁であった初公判で、検察側は二宮被告を取り巻く教育界に、不正採用がまん延していた実態を明らかにした。一方、口利きの依頼元は「いろいろなところから」などの表現に終始し、不正の全容には踏み込まなかった。
二宮被告の供述調書によると、採用担当の課長となった二〇〇二年、採用試験の点数を操作する不正システムは既に”確立”されていた。当時、点数操作は合格ライン前後の十点幅で行われ、電話や来訪によって口利きを頼まれたほか、当時の上司だった教育次長(現在は大分大学教育福祉科学部教授)にも指示を受けたという。
起訴事実の舞台となった〇七年度の採用試験。点数を操作する”実行役”の元県教委義務教育課参事、江藤勝由被告(52)=収賄罪で公判中=に改ざんを指示したのは二宮被告と富松哲博教育審議監(60)=当時、義務教育課長=の二人だった。
二宮被告はわいろを受け取った元同課参事の矢野哲郎被告(52)=贈賄罪で公判中=の長女には「特に目をかけてくれ」と指示。江藤被告は、長女が体調不良で体育実技を受けていなかったのに、適当な点数を入力し、ほかの科目も加点して不正に合格させた。
不正採用が長年、行われたと指摘したにもかかわらず、検察側は不正の依頼元はあいまいな表現にとどめた。
これに対し、二宮被告の弁護人は「事件の背景を明らかにする」ため、捜査機関が押収している口利きリストの開示を求めている。
二十五日に開かれる次回公判では被告人質問が予定されており、二宮被告が県教委をむしばんだ不正の”元凶”にどこまで、言及するか注目される。
起訴状によると、二宮被告は〇七年度の小学校教員採用試験で、矢野哲郎と、妻かおる(51)両被告夫婦の長女への便宜の見返りに、〇六年九―十月、大分市内の飲食店で、哲郎被告から商品券計百万円を受け取った。江藤被告も同年十月、矢野被告夫婦から商品券百万円を受け取った―とされる。
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