
県内の警察施設の取調室に設置された透視鏡。監督官は、ここから室内の様子を確認する
容疑者への取り調べが適正に行われているかどうかを、捜査部門以外の警察官が監視する「取り調べ監督官制度」が九月一日から、全国の警察で試験的に実施される。大分県警では、県警本部に三人、十七警察署に各一人、計二十人の監督官を配置。体制や運用、施設整備などについて検討を重ね、来年四月の本格実施に備える。
富山県の冤罪(えんざい)事件や、鹿児島県の選挙違反無罪判決で、自白の強要など不適切な取り調べが問題化したことを受け、警察庁が一月にまとめた「適正化指針」に基づく制度。取り調べでの容疑者の供述の任意性を確保するのが目的で、既に鹿児島など一部の県警は、時期を前倒しして試行を始めている。
大分では、県警本部は警務課長ら三人、各署は副署長が監督官を兼務する。監督官が対応できない場合などに備え、各署の総務係長ら計三十人の「補助者」も置く。
同制度では、やむを得ない場合を除き、取り調べ中の▽容疑者の体への接触▽ことさら不安を覚えさせる言動▽便宜供与や便宜の約束▽尊厳を著しく害する言動―などを監督対象行為に規定。監督官は、透視鏡(マジックミラー)で取調室の様子を確認したり、取り調べ状況報告書などの書類を見て、こうした行為があれば、取り調べの中止などを求めることができる。
県警は試行に先立ち、四月に田盛正幸本部長を委員長とする部局横断的な「取り調べ適正化推進委員会」を設置、本部長や刑事部長、警務部長らが各署を巡回して制度の周知を図るなど準備を進めている。
県警が取り調べに使う約百八十室のうち、透視鏡が設置されているのは約18%で、増設に向けての検討も進める。透視鏡がない部屋は当面、ドアスコープから確認するという。
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