ベテランが見守る中、「すかしぶすま」の和紙を張る戸次さん(中央)
ふすま、障子、びょうぶ、掛け軸など、和紙を用いた建具や調度品の製作を専門に行う「表具師」。大分市内の表具師でつくる市表具内装組合(隈部勝明会長、十五人)は二年前から二カ月に一度、同市日吉のグリーンカルチャーセンターで青年部の若手表具師を対象にした講習会を開いて、技能の継承に力を入れている。
センター二階にある十四畳の和室。森洋さん(60)=同市城崎=らベテラン表具師が視線を注ぐ中、若手職人が障子の骨組みに和紙を張っている。はけを数ミリずつずらしてのりを付ける。「もっと手早く、丁寧に」。ベテランから飛ぶ助言を若手が素早くメモした。
作っているのは、茶室の茶道口(亭主側の出入り口)に用いる「すかしぶすま」。「茶室を設けようという人は少なく、茶室用のふすまや障子の注文はめったにない。しかし、伝統技能を絶やさないために、あえて取り組ませている」と、長野正博さん(48)=同市大在。
五年前に家業の表具店を継いだ、三代目の戸次一さん(28)=同市中判田=は「修業を通して師匠から弟子に伝えられてきた技を、このように教えていただけるのは大変ありがたい」と話す。
近年は、和室より板張りやカーペットを敷いた洋室を好む人が増え、ふすまや障子の需要が減少している。「技は先輩の背中を見て盗むものといわれてきたが、教える場を設けなければ表具師の仕事も技能も途絶えてしまう」と、ベテラン表具師は危機感を募らせる。
隈部会長は「今後も技の継承に努め、障子やふすまなど”和のしつらえ”の素晴らしさを伝えていきたい」と話した。
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