県教委汚職事件について調査結果の報告を受ける県教育委員=29日午前、県庁
大分県教育委員会は二十九日午前、臨時会を開き、教育行政改革プロジェクトチーム(PT)から、県教委汚職事件に絡んで実施した内部調査の結果報告書の提示を受け、了承した。報告書では、教員採用試験などでの点数の加減や外部からの口利きといった不正行為が”伝統的”に行われてきたことがあらためて浮き彫りになった。委員会はこの後、不正に関与した職員の処分などを話し合った。
PTは一連の事件の不正の原因や背景を▽教員採用や校長・教頭任用試験の不適切な運用▽色濃い仲間意識・身内意識▽県教委のチェック機能の欠如―と指摘。
教員採用では、当時の人事担当者や幹部職員の供述から分かった、長年にわたる不正行為の実態を報告した。
それによると、二〇〇一年度以前には受験者の性別、年齢、居住地や地域バランスも「裁量の範囲内」として加味。その後も採点結果一覧表のボーダーラインを下方修正していた。校長・教頭任用試験では〇五、〇六両年度当時の義務教育課人事担当者が「県教委幹部職員からの依頼を受け、各年度とも三人程度加点した」と供述した。
県内すべての公立学校長や教頭(千六十七人)を対象に実施したアンケートでは、任用試験や教員採用試験で口利きなどの働き掛けを認めたのは四人。残る千六十三人は「したことがない」と答えた。
再発防止策として教員採用試験の一次試験は、裁量の余地がない筆記試験に特化するほか▽教員、県教委職員の人事部門の一元化▽民間校長の登用―などを盛り込んだ。
委員からは「報告書の中身を実現しなければ意味がない」「教育委員自身が再発防止策を実行できるよう、目を光らせないといけない」などの意見が出た。
正午現在、非公開で得点の改ざんによって不正に合格した教員の採用取り消し問題や管理監督責任を含む県教委職員の処分などについて話し合っている。
二十九日に教育行政改革プロジェクトチームが提出した調査結果報告書には、教員採用をはじめ校長、教頭の任用など人事に関する不正の実態が盛り込まれ、組織に根差したあしき慣習が明らかになった。不正についての主な内容は次の通り。
【教員採用】二〇〇一年度以前の県教委幹部は、県議や県教委OB、教職員組合の役員らから「よろしくお願いします」などの依頼があったとした上で「脅威に感じる依頼者からの受験生がボーダーラインに達していなかった場合、合格させたことがある」と供述。別の幹部は「リストを渡され、どう扱うかは力量。怒られてもいいからするか、しないか」と話した。上司からボーダーラインの下方修正を指示された者の中には「裁量権の範囲を越えます」と反発した職員もいた。
〇六年度からは点数の書き換えを元義務教育課参事、江藤勝由被告(52)が担当。幹部からメモやリストを示され「不正な行為の指示と受け止めた」と供述。富松哲博教育審議監(60)は「不正や点数の書き換えを指示したことは一切ない」と答えたという。江藤被告は「自らの意思で書き換えをしたのは、金銭をもらった矢野哲郎被告(52)、浅利幾美被告(52)の依頼分しかない」としている。
〇七年度の採用試験に際し、佐伯市内の中学校教頭一人が、当時、教育審議監だった二宮政人被告(61)に働き掛けをしたと答えた。
【校長、教頭任用試験】一次選考の校長、教育長、教育事務所長推薦について、校長会や教頭会、教職員組合の各支部役員が候補者推薦リストを持ち込むなど、働き掛けがあったことが判明。〇五、〇六年度の人事担当者、〇七年度の江藤被告が選考過程で書き換えをしていたことを確認した。県警に押収されていない〇八年度の資料を分析した結果、九人に十―二十点の加点、三人に五―十点の減点が見つかった。一方、書類送検された小学校教頭二人と、県立高校の校長一人が「何らかの働き掛けをしたことがある」と答えた。
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