大分県の小学校教員採用試験をめぐる汚職事件に絡み、県教委は二十八日、得点の改ざんによって不正に合格した教員に、復元・解析した得点のデータを示し、自主的に退職するよう促し、応じない場合は採用を取り消す方針をまとめた。二十九日に開かれる臨時教育委員会で提案し、協議する。
自分が不正合格だとは知らない教員も多数いることが予想される。即座に採用を取り消すのではなく、まず不正の事実を伝え、各自の判断を”尊重”する対応だが、一方で、強制的な取り消しを不服として、県教委を提訴する民事訴訟の”リスク”を少しでも低減したい思惑もあるとみられる。
二〇〇七、〇八両年度の小学校教員採用試験では、元県教委義務教育課参事の江藤勝由被告(52)=収賄罪で起訴=が、上司の富松哲博教育審議監(60)らの指示などにより、口利きやわいろの授受があった受験者を不正に合格させるため、加点や減点を繰り返し、試験の得点データを改ざんしたとされる。
事件の捜査に絡み、データを押収した県警は、一部消去されていた部分などを復元し、不正合格者が全合格者の半数近くに上ることを解明。七月二十九日に県警からデータの提供を受けた県教委のプロジェクトチーム(PT)も独自にデータを復元し、県警とほぼ同じ解析結果を得た。
県教委はデータの根拠となる答案用紙を規定に反して既に廃棄している。このため、試験結果の完全な再現は難しい状況だが、「復元・解析結果の精度が高い」とみていることや、関係者の事情聴取などを総合的に考慮し、採用を取り消すことができると判断したようだ。
臨時教育委員会
月末まで想定
臨時教育委員会の議題は不正合格者の取り扱いのほか▽事件を受けたPTの調査結果の報告▽関与した職員の処分▽再発防止に向けた組織の見直し―など。多数決で決めることはできるが、全会一致となるよう十分な協議をしたい意向で、議論が長引いた場合に備え、二十九日から三日間連続で開くことも想定しているという。二学期が始まるまで、ぎりぎりの調整が続く可能性がある。
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