大分県教育委員会は二十七日、臨時会を開き、県立高校の後期再編計画(二〇一〇―一四年度)を決めた。一月の検討素案で廃止の方向性が示された由布(由布市庄内町)は一一年度から連携型中高一貫教育を導入し、一学年四学級の学校として存続。別府市の再編は、市立別府商の県立移管を前提に統合対象を二校から三校にあらためた。臼杵市は野津を廃止する一方で、臼杵を二学級増設する方針が盛り込まれた。ただ、統合後の新設校の開校年度や、野津の廃止年度(一一年度以降)は決まっておらず、十二月までに詰める。
県教委は〇九―一〇年度の二年間、由布を中高一貫の研究校に指定。現行一学年二学級の学級数を初年度は三学級、次年度は四学級に増やす。教員が中高を相互に行き来して授業をしたり、市内三中学校で合同テストをするなど、連携型の教育活動を実践していく。
志願者数が定員の三分の二を上回ることを県教委と市教委の共通目標に掲げ、志願者の増加を目指す。由布市内の受験生はこれまで大分市内の高校を志願する割合が高かったが、県教委は「目標に届かない事態は想定していない。しっかりやる」(平山正雄高校改革推進室長)としている。
別府市については、七月に市が別府商を県立に移管する意向を示したため再検討した。再編後の市内の一学年当たり学級数(十六)を維持しながら、別府商を統合対象に組み込んだ。別府鶴見丘は現在の六学級から八学級に増やす。
県教委は秋をめどに計画決定を目指してきたが「二学期初めに受験生が進路選択のピークを迎える」(小野二生教育審議監)として作業を急いだ。
「先進地の事例」学び地元が粘り強い活動 県教委の譲歩引き出す
◆解説◆一月の検討素案で廃止の検討が盛り込まれた由布高校が約半年後、連携型中高一貫教育の導入で一転、存続することになった。地元・由布市の粘り強い存続要望と市の中高一貫教育推進課設置などが県教委の譲歩を引き出した。
二〇〇五年三月に前期再編計画をまとめた際、「住民の声が反映されなかった」との批判が上がった。これを正面から受け止めた県教委にとって、由布市のPTAが連携型の先進地、宇佐市安心院・院内両町の事例を積極的に学びながら教育熱を高めていることは無視できない要素になった。
臼杵市も野津、臼杵商の現在地存続を強く要望。その結果、代案として「中間まとめ」から臼杵の学級増を引き出した。「臼杵・津久見地域は一体」と考え再編を検討した県教委にとって、臼杵市内の大部分の高校がなくなる案に対する市民の反発は予想を超えた。
今後は由布の志願者数がどれだけ増えるかが焦点になる。由布市内の志願者を百六十人の三分の二に増やすというハードルは依然高い。由布市はもとより存続を決めた県教委の力も試される。
「市民と喜びたい」 首藤市長
県教委が二十七日、再編時期以外の後期高校再編計画を決めた。由布市をはじめ計画に要望が反映された地元関係者からは、県教委の決定を評価する声が上がっている。
「存続に向けた取り組み、熱意が認められた。大変うれしい。市民と一緒に喜びたい」。由布高校振興協議会長を務める首藤奉文由布市長は存続決定の一報を受け満面の笑みを見せた。
集会開催を通じて地元の熱意をアピールしてきた市PTA連合会。古長雅典会長は「存続がかない、本当にほっとした。中高一貫教育をスムーズに導入できるよう、早い段階から中学、高校の教員同士で連携を深めてもらいたい」と期待を語った。
臼杵市はPTAや経済界と連携し、市内に二校を残して定員を確保するよう県教委に求めてきた。野津の廃止、臼杵商の統合方針は変わらなかったが、臼杵の二学級増が盛り込まれた。後藤国利市長は「市の要望を真(しん)摯(し)に検討した上での結論と受け止めている。関係者に感謝したい」と述べた。
別府商の県立移管を県に要請した別府市。郷司義明教育長は「商業系三学級を堅持してくれたのでありがたい。別府商の伝統を引き継ぎたいという市の思いをくんでくれた。別府鶴見丘の学級数と合わせて市全体の進学枠をある程度確保でき、納得できる内容」と述べた。
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