長崎キヤノンと大分キヤノンの連携について語る若狭央幸大分キヤノン常務取締役=国東市安岐町の大分キヤノン
キヤノンが長崎県波佐見町に進出させるデジタルカメラ生産の「長崎キヤノン」社長に、大分キヤノン(本社・国東市)の若狭央幸(ひろゆき)常務取締役兼工場長が就任する。大分は長崎のマザー工場と位置付けられ、両社の連携強化が不可欠。長崎進出の意図など、今後のキヤノンの戦略について若狭常務にインタビューした。
長崎キヤノンは二〇〇九年十二月の操業を目指す。一眼レフ、コンパクトのデジタルカメラなどを生産する大分キヤノンとほぼ同様の生産形態になる見通し。年産四百万台、一千人を雇用する計画だ。
若狭常務は「大分県は大型の企業誘致が相次ぎ、一度にまとまった人材の確保が難しい。長崎県では多くの高校卒業生らが、働き場所を求めて県外に流出している状況」と長崎進出の理由を話した。
また、拡大する市場にはスピードが求められ、長崎では工場の早期着工が可能だったという。世界のデジカメ市場は二〇〇七年が一億一千七百万台で、キヤノンは二千四百六十万台を占めた。〇八年は一億二千九百万台が見込まれ、10%以上の成長が予想される。
大分キヤノンは一九九〇年代半ばから、カメラ事業の中枢が集積されている。〇五年に大分事業所を建設して増産が続くが、さらに大幅な増産体制を組むには手狭になっていた。
若狭常務は「大分から長崎へのアクセスは二時間半。リスク分散の面から工場の”過密”を防ぐこともできる。大分の技術と長崎の人材を生かし、トータルでコスト削減を目指す」と連携の必要性を強調した。
県内では今年、ダイハツ九州が二〇一〇年に設立する開発センター誘致に期待が膨らんだ。しかし、福岡市への進出が決定。やはり人材確保などが理由だった。大分県にとっては、産学官の連携による優秀な人材育成も視野に、新たな誘致戦略の練り直しが求められそうだ。
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