教員採用試験をめぐる汚職事件で、不正に合格したとされる教員が一人、教壇を去った。佐伯市内の小学校の女性教諭(23)=二十三日付で退職=。「先生が学校からいなくなる」という懸念が現実となり、同校関係者は「子どもにどう説明したらいいのか」と難問に直面している。
元教諭は、贈賄容疑で逮捕、起訴された県教委元参事(52)の長女。採用試験で得点の水増しによって合格したが、本人は「全く知らなかった」という。県教委が「不正な合格が確認された教員は採用を取り消す」との方針を出した翌日の十七日、退職届を校長に提出した。目には涙を浮かべていたという。
”不正合格者”の退職は事件発覚後、初めて。校長は「(元教諭が)辞めたことを子どもたちに伝えねばならないが、どう伝えるか、まだ頭の中で整理できていない」と悩む。学校は夏休み中。全校登校日の八月六日に、児童たちへ説明する考えだ。
一方、元教諭に受け持たれていた児童の保護者は「子どもに何と言っていいか分からない。事件を説明するのがいいのか、しない方がいいのか…」。まだ低学年。元教諭の退職を知らず、夏休みの宿題は元教諭に提出するものと思っているという。
元教諭は退職の半月前、クラスの父母らにあてて手記を書いた。「大きな不安とご迷惑をお掛けして本当に申し訳ありませんでした。子どもたちのことがとても気掛かりです」。一学期の通知表を付けたのが最後の仕事となった。
後任はまだ決まっていないが、二学期の担任は別の教諭になる。児童の保護者は「先生に裏切られた、という印象を子どもが持ってほしくない」と願っている。
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