亀川小学校のある日のメニュー。「マグロの揚げ煮」「みそ汁」などが並ぶ
食材高騰や給食費の滞納―。「学校給食」が、かつてないコスト問題に直面している。節約に知恵を絞りつつ、栄養確保や食育に気を配る栄養士たち。給食の質を守ろうと奮闘している。
別府市の亀川小学校(小野正春校長・四百四十三人)。七月上旬のある日の献立は、マグロの揚げ煮、みそ汁、キュウリのピリッと漬け、米飯、牛乳の五品だった。
マグロは衣を着けて揚げ、大豆やニンジンなどと和風味で煮ている。だしの効いたみそ汁は、カボチャや油揚げなど具だくさん。どれもおいしく、ボリューム十分だ。一食の値段は市内小学校共通の二百五十円。「当面、値上げは考えていない」(市教委)という。
「やりくりは何銭のレベル」と主任学校栄養職員の吉野操さん(57)。食材の値上げや給食費滞納(同市の未納率は0・8%)の問題は「メニューの工夫や調理にひと手間掛けて」カバーする。
例えばマグロ。以前は六十グラム(一人分)を洋風揚げ物にしたが、「揚げ煮」では四十グラムにしてコストカット。安い大豆で栄養分を補う。単独では不人気の大豆も、軟らかく煮てマグロと合わせると子どもに好評。節約との”一石二鳥”だ。
小ネギの代わりに、安い中ネギを細かく刻む―。そんな細かい努力を積み重ねるが、ある程度のしわ寄せは避けられない。栄養的に必ずしも必要とされないデザートは、回数や分量を減らした。
「とはいえ、食事の楽しみとして欠かせない部分。手作り品を増やすなど、できるだけ期待に応えたい」と吉野さん。「食の文化や季節感もおろそかにしたくない」と模索を続けている。
●「もう限界に来ている」
「経験したことのない値上げ。収まる気配もない」。給食用の食材を幅広く仕入れ、学校などに納入する県学校給食会。食品高騰を受け、調理用小麦など昨年度に比べ30%以上値上げした品物もある。「予算が限られる給食だが、さらなる値上げもあり得る」と頭を痛める。
給食費にも影響が出ている。大分市教委によると、本年度、市内の八十八校中、八十五校が月額で百―三百円値上げした。「献立の工夫や共同購入の活用など、できるだけコストを抑える努力をしたい」という。
「大分県は一食当たりの給食費を低く抑えてきた」と県教委。二〇〇六年度の全国平均との比較では小学校で七円、中学校で十九円安かったが、「もう限界に来ている」とみている。
【給食費滞納額】 県教委の集計では、県内小・中学校の滞納総額は2951万6455円(06年度末現在)。給食費全体の約0・6%に当たる。
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