大分、山口、愛媛各県の漁業者が相互乗り入れで操業していた伊予灘で、三県は三十日、互いに操業区域を区切る初の協定発効に同意した。伊予灘はタチウオ、フグなどが捕れる好漁場。規制により漁業者間で絶えなかったトラブルの解消が期待される。協定は九月一日付で発効する。
協定は資源保護や紛争防止を図るのが目的で、二〇〇二年三月に締結した。しかし、発効に必要な漁法別の操業調整ができていなかった。
今回、三県が互いに譲歩することで話がやっとまとまったという。
今回の協定発効に伴い、伊予灘には各県の漁業者が原則として占有できる「専管水域」(各県の岸から八キロ)と共同で操業できる「共通水域」が画定される。また、小型底びき網、タチウオ浮きはえ縄漁など、五種類の漁法別で操業規制がかかることになった。
タチウオ漁を例に取ると、大分県籍の船は、山口・愛媛両県の岸から十キロ以内で操業禁止となる。また、当面は伊予灘の東部海域を週三回操業禁止し、同海域は一三年一月からは周年禁止に移行する。
これまで、互いの漁場範囲について境界線が定められていなかったために、漁業者間のトラブルが多発していた。
県は「境界線が画定したことで、漁業者は安心して操業できるようになる」と説明する。
一方、協定発効で大分県の漁獲量が減るのではないかと心配されている。
県は「産卵場所近くでの禁漁で資源回復を進め、販路拡大支援などでサポートしていきたい」と話している。
●国東特産タチウオ “漁獲量半減も”
今回の協定は漁業上のトラブル防止が期待されているが、これまで伊予灘ではある程度自由に操業できただけに、県内漁業者への影響は小さくなさそうだ。
「くにさき銀たち」のブランドで知られるタチウオ。県漁協くにさき支店では約七十隻が、「浮きはえ縄漁」で国東市特産のタチウオを捕っていた。
小田義幸支店長(57)は「(今回規制のかかる)伊予灘東部海域まで出漁することも多い。協定で年間一千トンある漁獲量は半減するかもしれない。厳しい条件だが、(トラブル解消のため)組合員は泣く泣く同意した」と話した。
今後、漁獲量を確保するため、県の研究機関などと連携して沿岸の資源回復策を検討するという。
[PR]セントラル短資FX
※無断転載を禁じます。 当ホームページに掲載の記事、写真等の著作権は大分合同新聞社または、情報提供した各新聞社に帰属します。
Copyright (c) 2008 OITA GODO SHIMBUNSHA