県内の学校長や教頭らを選ぶ管理職任用試験の際、県教委に所属する受験者が、論文や筆記試験を免除されていることが三十日、分かった。学校勤務の受験者はすべての試験を受けることになっており、試験方法が一律でないことに疑問の声が出ている。県教委は公平性や透明性の観点から、任用試験の在り方を見直すことにしている。
県教委所属職員に対する任用試験の一部免除について高校教育課は「昨年度のみ実施した」、義務教育課は「少なくとも五、六年以上前から続いている」としている。県教委職員は「問題を作る側」で、筆記試験で問う「法規の知識」を日常業務で身に付けていることなどが免除理由という。
受験資格などを定めた選考要領は、筆記試験や論文、面接など選考方法を明記。学校現場の教員らはこれに沿って受験するが、県教委所属職員の試験の方法は、県教委幹部の裁量で変えることができる。
県立学校(高校や特別支援学校など)の昨年度任用試験の場合、教頭試験(十一月中旬)の一週間ほど前に教育長、教育審議監、高校教育課長が協議して、筆記試験の免除を決めたという。県教委職員以外の受験者には、変更を知らせていなかった。
試験内容が同じでないため、学校教員と県教委職員は事実上、別々の選考になり、競争倍率も異なる。二〇〇八年度の教頭合格者数を見ると、小中学校(市町村立)では▽学校出身者・四百七十五人中五十七人▽県教委出身者・二十六人中七人。県立学校では▽学校出身者・八十七人中十三人▽県教委出身者・十四人中九人―となっている。
県教委の一連の汚職事件では、学校管理職の不正任用疑惑も浮上しており、学校現場からは疑問の声が上がる。県立学校の女性教頭は「筆記試験免除の仕組みがあるなんて初めて聞いた」。別の女性教諭は「任用試験が平等でないなら、出世を考える人は学校より県教委を選ぶ。人事面での優遇や不透明な裁量権は、組織の腐敗を生んだ一因ではないか」と批判する。
小野二生教育審議監は「(一律でない試験方法は)公平性や透明性の点で問題があった。変更点を通知しなかったことも、今となっては反省している。今後、免除はやめる方向。誰が見ても分かりやすい改革案を作りたい」としている。
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