県教委汚職事件で、教員採用試験や校長・教頭の任用試験に絡む不正に関しての、県教委の内部調査が三十日に始まる。幹部職員やすべての公立小中学校、高校の校長、教頭らを対象とするが、果たして調査に真実を語るのかという疑問が付きまとう上、調査期間はわずか一カ月。教育界の正常化をと、教育行政改革プロジェクトチーム(PT)が取り組むが、不正の実態解明へのハードルは高いとみられる。
二学期が始まる前の八月末までに調査結果を出す予定。過去十年間さかのぼる現職職員約百人への調査は、県教委幹部や人事担当者、教育事務所長らが対象。任用試験の不正調査はすべての公立小中学校、高校の校長と教頭約千七十人に文書で不正の有無を尋ねる。
職員への聞き取りはPTが行う。校長や教頭への調査と合わせ、不正への関与が明らかになった場合や聞き取り時の言動・挙動が不審な場合、後日、詳しく事情を聴く。ただ、職員が職員を調べるため、どこまで事実に迫れるかは「やってみなければ分からない」(県教委幹部)部分もある。さらに、「『わたしは不正に関与しました』と正直に話す職員が本当にいるのか」という声も上がる。
不正は長年続いているという指摘がある中、県教委OBへの調査は、必要に応じて行うことにとどめている。現職職員と違って、PTが職権で呼び出せないためで、OBへの調査はあくまで任意。拒まれたら調査ができないという。
PTトップの照山龍治総務審議監は「調査する材料もなく、ただOBの話を聞きに行っても、話してくれなければ意味がない」とし、まずは職員への聞き取り調査で十年分の事実を固める方針を強調する。
小矢教育長「良心信じる」
この調査で本当に事実が分かるのか―。県教委をめぐる不正の実態に切り込むための内部調査が、どこまで実態に近づけるのか、疑問の声もある。
大分市内の五十代公務員男性は、教育委員や弁護士らが立ち会うとはいえ、調査を外部の第三者に任せない手法を問題視。その上で「これだけ騒がれているのに『調査したが不正はなかった』という結論は許されない」と冷ややか。
十九、二十の両日にあった小学校教員採用試験(一次)を受験した大分市出身の女子大学生(21)も厳しい意見。「対象者が真実を話すとは思えない。『黙っていれば逃げ切れる』と思ったら、自ら名乗り出ないのでは」と疑問視する。
教育評論家の尾木直樹法政大教授(臨床教育学)は県教委の内部調査について、「現場からの自己申告に頼っている上に調査期間も短く、実効性はほとんどないだろう。改革を訴えるための単なるパフォーマンスとしか思えない」と切り捨てる。
調査に厳しい声がある中、自らも聞き取りを受ける小矢文則県教育長は「これだけの事件を受けた調査である以上、教職員は知っている事実を話してくれるはずだ。教育に携わる者の良心を信じている」と話している。
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