大分県教委を舞台にした一連の汚職事件が後期高校再編や学力向上といった重要な教育施策の推進に影を落としている。県教委の現場職員は「子どものためにも施策を着実に進めなければ」と懸命だが、事件への対応に苦慮する中、本来業務の遅れや人員不足といった思わぬ余波に頭を痛めている。
後期高校再編では二〇一〇年度からの五年間に十六校の廃止や統合、学科再編をする方針を打ち出した。翌年の高校入試定員を発表する九月下旬―十月中旬より前に最終的な計画内容を公表する予定だったが、事件発覚後、上層部が対応に追われ、内部協議が遅れがち。計画決定が定員発表後にずれ込む可能性も出てきた。
高校改革推進室は「幹部と協議ができない。必要な手続きや意見交換をおろそかにはできないが、(公表が)秋を過ぎるようでは子どもへの影響が大きい」と焦燥感を募らせている。
昨年初めて実施された全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)。応用力などを見るB問題で、大分県は全国平均を下回った。学力向上に本腰を入れて取り組むため本年度、義務教育課内に学力向上支援班を設置。班参事と主幹、教育センター指導主事らが学校改善支援チームを組んで県内各地を回り、地域ごとの弱点を克服する対策を検討していた。
しかし、「本格的な作業に入ろうとした矢先」(義務教育課)に教員採用に絡む贈賄容疑で、要となる矢野哲郎元同課参事が逮捕・起訴され、懲戒免職となった。急場をしのぐため、課長が進行管理役を兼務している。
県教委は「教育行政への信頼を回復するためにも高校再編や学力向上をしっかりやり遂げたい。職員にも業務がストップしないよう指示している」(小野二生教育審議監)とするが、職員の士気低下も懸念され、越えるべきハードルは山積している。
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