ヤマ場を迎えているWTO農業交渉で、日本に厳しい調停案が示されている。「農産物の輸入がさらに拡大すれば、担い手不足や農地の荒廃が一層深刻化する」。二十八日午後、交渉の成り行きを見守るJA大分中央会など県内の農業関係者は、先行きへの不安を募らせていた。
宇佐市でコメ、麦、大豆などを栽培する橋津営農組合「よりもの郷」。本多通孝組合長(70)は「安い輸入農産物がさらに入ってくれば、消費者もそれに流されるかもしれない」と大幅な内外価格差を心配する。
カロリーベースで39%しかない国内食料自給率の一層の低下も懸念する。「コスト削減も限界。農業の問題は命にかかわるのに外国に手綱を握られていいのか。消費者も考えてほしい」と訴える。
広瀬暢洋JA大分中央会長は「(調停案を)受け入れるとすれば、憤りを感じる。安い海外の農産物が押し寄せれば、農家の生活は危機的な状況になる可能性がある」と話している。
県は「競争力を付けるために、集落営農を進めるなど経営体力の強化に取り組んできた。WTOについては最終的に指定品目が決まるまで見守りたい」と話した。
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