売店経営者の熊谷美代子さんと幸男さん
大分市の佐賀関市民センター(仮称)の建設に伴い、佐賀関バスセンターが八月に取り壊される。センター内で売店を経営していた熊谷美代子さん(65)=同市白木=は廃業も考えたが、「やめないで」という地域住民の声に励まされ、近くの空き店舗を借りて、新たな気持ちで営業を始めた。
熊谷さんは一九九二年からバスセンターの切符売り場に勤務し、佐賀関の陸の玄関口を見守ってきた。二〇〇二年、旧佐賀関町が休止状態だった売店の経営者を公募。熊谷さんが応募したところ選ばれ、〇三年四月から売店経営も始めた。
「キャラメルとガムの販売からの出発だった」という。以後、海産物、洋服、バッグ…客の要望や反応を探りながら商品を充実させると、バスセンターに活気が戻った。
夫の幸男さん(68)も、清掃や観光案内を手伝った。「町民や観光客に喜んでもらえるよう、日本一きれいなトイレに」と、バスセンターのトイレを一日三回掃除。
また、ポスターやパンフレットなどを壁に掲示して華やかにした。二人は一日に約百人が利用するバスセンターに欠かせない存在だった。
だが、建物の取り壊しが決まり、売店経営からの引退も考えた。そんなとき、次々と寄せられたのが「寂しい、お店を続けて」「やめないで」という声。店舗を借りて継続することを決意した。
新しい店舗は約二十平方メートルで、売店と広さや雰囲気は同じ。二人がバスの利用客を出迎え、見送ることはもうないが、定期券やバスカードなどは引き続き販売している。
「新しい店は地域住民の憩いの場にしたいんです」と美代子さんは笑顔で話した。
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