大分のニュース

吉川英治の世界に触れて

[2008年07月17日 09:42]

吉川英治自筆の額「書中必存師友」と甲斐清苑さん

 由布市挾間町谷の陶芸家、甲斐清苑さん(66)が自宅にギャラリー・カフェ「芭(ば)美(び)崙(ろん)」を開設。オープン記念として「吉川英治展」を開いている。三十一日まで。
 「宮本武蔵」「新・平家物語」などで知られる吉川英治(一八九二―一九六二)は神奈川県出身。若いころから職を転々とし、独学で新聞や雑誌に小説を連載して国民的作家になった。一九六〇年に文化勲章を受章。
 今回展示しているのは甲斐さん(長野県出身)が父・新二郎さんから譲り受けたもの。新二郎さんは長野県森林組合の役員をしながら趣味で古書店「周文堂」を営んでいた。吉川英治とは一時期、同県内にいた吉川の姉を通じて知己となり、友人以上の付き合いをしながら吉川自筆の書画などを収集。十三年前に七十九歳で死去した。
 清苑さんは東京で知り合った夫の哲義さん(64)=画家=と、哲義さんの古里・大分に来たが、新二郎さんがまだ健在のころ、その一部を譲り受け長年、保管してきた。
 書画では竹林の小庵で二人の人物が語らう絵に「曰君一夕語 勝読十年書」と自ら賛を入れた軸や、「書中必存師友」の額。柿や橘を描いた色紙や、短冊形の店の看板などは新二郎さんのために書いたもの。「我以外 皆 我師」と彫った文鎮は新二郎さんへの形見分け。このほか、古伊万里の大皿、古赤楽など、新二郎さんの収集した焼き物も展示している。
 「これも縁ですから、大分の人に吉川英治の人となりに少しでも触れていただけたら」と清苑さん。「芭美崙」はTEL097・583・2068。

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