行動計画について話し合う参加者
世界的な大流行が危惧される新型インフルエンザ。発生時の医療提供や社会機能を守るための危機管理体制の整備が急がれているが、住民に身近な市町村の対応計画づくりは進んでいない。このため県は二十七日、市町村の担当者を集めて説明会を実施。八月末をめどに計画策定を急ぐことになった。
都道府県は政府の新型インフルエンザ行動計画(二〇〇五年策定、〇七年改定)に基づいて計画を整備。大分県も昨年十二月に行動計画(第二版)をまとめた。
行動計画には、大流行期に外来患者間の二次感染を防ぐため、通常の外来窓口と別に新型インフルエンザ患者のみ診察する「発熱外来」を設置することや、県民への啓発と情報提供、庁内の健康危機管理体制、各部局の役割を明記した。
県内市町村は一部で対応を協議しているが、大分市以外は計画がまとまっていない。説明会で県は「高い危機意識と、自然災害と同様の全庁的対応が必要」と強調。広報や行政機関の連携などについて意見交換した。
藤内修二・県健康対策課長は「自然災害と異なって新型インフルエンザは全国同時に対応に追われるため、市町村は周辺地域から応援を受けるのは難しい。計画の有無によって対応に大きな違いが生じる」と話している。
県は新型インフルエンザの流行規模を想定。最大で患者約二十四万人、死者約六千百人―としている。
昨年十二月に行動計画をまとめる際、米国疾病管理センターの推計モデル(全人口の25%が感染し、致死率最大2%)を基に想定。抗ウイルス薬(タミフル)やワクチン効果は考慮していない。
病原性の高い流行が約八週間続くと仮定した場合、ピーク時の一日当たりの新患者数は一万人前後、入院患者は最大約三千七百人と分析。平年の年間死者数は約一万二千人のため、約二カ月で半年分の死者数に達する。病原性が中程度の場合は死者数約千六百人。
流行時は学校や福祉施設も一斉休止。外出が禁止されるため家族が必ず自宅で付き添うことになる。
県は「企業や官公庁は発症者だけでなく、家族の世話を含めて四割以上の職員が欠勤する」とみる。その上で「企業も業務ができなくなる可能性があるだけに、危機管理対策が必要」としている。
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