大分県内の有効求人倍率が今年に入って三カ月連続で一倍を下回り、好調だった雇用情勢に陰りが見え始めている。雇用情勢が総じて低調な九州にあっては依然、突出して高い水準を保っているが、原油高によるコストアップや海外景気の減速感が企業の採用意欲に影響を与え始めており、大分労働局など関係機関は今後の景気動向に神経をとがらせている。
県内の有効求人倍率は相次ぐ企業進出や大型小売店の開店などを背景に二〇〇六年六月から〇七年十二月までの間、ほぼ一貫して一倍を超えていた。しかし、今年一月に〇・九九倍となって以降は▽二月 〇・九七倍▽三月 〇・九五倍―と一倍を割り込んでいる。
雇用情勢の改善で新規求職者は減少が続いているが、「それを上回るペースで新規求人が落ち込んでいる」(大分労働局)状況。三月の新規求人・求職を前年同月と比べると求職が4・9%減に対し、求人は9・5%の大幅減となっている。
四月の情勢は集計中だが、原油高の影響などは引き続き残っており、一倍を超えるのは厳しそう。正規採用を望む求職者のニーズが強く、労働局は事業所により良い条件の提示を求めながら求人量を増やす考えだ。
今後の雇用情勢について経営側は「地場企業の人材確保意欲は高く、(倍率は)一気には落ちない」(県経営者協会の峯山久人専務)との見方だが、労働団体は原油高や国際的な景気後退といった外的要因に左右される雇用状況を懸念。連合大分の後藤泰宏副事務局長は「中小企業の経営基盤を安定させる政策が雇用改善のためにも必要ではないか」と指摘している。
【県内の求人状況】 地域や業種で格差が拡大している。今年3月の有効求人数を地域別に前年同月と比べると、特に▽佐伯 24・0%減▽日田 14・6%減―の減少が目立つ。業種別では、原油高や景気の影響に左右されやすい卸売・小売業や飲食店・宿泊業など第3次産業を中心に減っている。ただ、精密機械器具といった製造業や医療・福祉などは伸び、人手不足が続いている。
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