佐伯市「大手前商店街」の火災で焼け落ちていく店舗=22日午後2時45分ごろ
二十二日午後一時半ごろ、佐伯市大手町三丁目の大手前商店街の一角から出火。次々と延焼し、集合家屋一棟が全焼、店舗兼住宅二棟のうち一棟が全焼、一棟が半焼。延べ約千九百平方メートルを焼き、約三時間半後に消えた。果物店の今山洋子さん(70)が両腕にやけど。四世帯十二人が焼け出された。
佐伯署の調べでは、集合家屋には果物店と弁当店、住宅二世帯、倉庫、空き家の計六戸が入っていた。全焼した店舗兼住宅は時計宝石店。半焼の店舗兼住宅はパン屋。
商店主や通行人ら複数が出火に気付いて通報した。同署は、果物店付近から出火したとみて、今山さんらから事情を聴いている。
現場は、旧寿屋佐伯店跡地に隣接する商店街で、佐伯市役所から南西に約一キロ離れている。
国道217号を挟んだ佐伯小学校のプールの水も消火に使用したため国道を通行止めにし、周辺は渋滞した。
佐伯署と佐伯市消防署は二十三日午前十時から実況見分し、出火原因を調べる。
「水量足りぬ」消火難航
昼下がりの佐伯市中心部。黒煙が上空高く立ち上り、サイレンが一帯に鳴り響く。二十二日午後、のどかな商店街が炎に包まれた。老舗や木造長屋が並ぶ「大手前商店街」で起きた火災は、店舗兼住宅などが密集する延べ約千九百平方メートルを焼いた。
内側が激しく燃える建物はトタン板で覆われ、消防隊員も懸命に放水するが消火作業は難航。迫る火の手に商店主らは、わずかな商品を運び出すしか打つ手はなかった。開店して二日目のパン屋もあった。商店主らは焼け落ちていく看板の前でぼうぜんと立ち尽くした。
「消火器で間に合う炎ではなかった」。近くの海産物販売店従業員佐藤将平さん(22)は、消火器を持って現場に駆け付け、到着したばかりの消防隊員に手渡した。「果物店の奥が激しく燃え、手に負えなかった」と汗をぬぐう。
全焼した弁当店。出火直後、経営者女性(70)と従業員ら女性四人が店内にいた。「突然、テレビが消えた。外から煙とともに炎も入ってきて恐ろしかった」と女性。
一九二一(大正十)年創業の老舗時計・宝石店。急きょ、出張先の大分市から帰ってきた顧問の西島世晃さん(69)は「商品だけで億単位の損害だが、従業員が無事で何より」と変わり果てた店を見つめた。
店舗手前まで炎が迫った生花店。住民らと協力し店舗から花をリレーで運び出した。経営者の橘林寿郎さん(64)は「すべては外に出せなかった。ここまで火が広がるとは思わなかった」と話した。
佐伯市消防署と消防団からポンプやはしご、救助工作など車両約三十台が出動。現場で「屋外消火栓の水量が足りない」との指摘があった。市上下水道部は「一度に複数の消火栓を開いたため、水圧が下がった可能性がある」とし、後日検証するという。
近くの佐伯小学校のプールや河川からも水をくみ上げた。
【大手前商店街】…佐伯市のシンボルの城山と武家屋敷のある山際通りにつながる通りで、旧寿屋佐伯店に隣接していた商店街。かつては大勢の市民でにぎわう佐伯市の中心的な商店街だったが、寿屋の撤退後は客足が減った。
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