小麦粉の値上げで、商品の値上げを知らせる張り紙を店内に掲げるパン売り場(トキハ本店)
政府から製粉会社への売り渡し価格が一年で約40%上昇した小麦価格。小麦を扱う多くの飲食店での影響は大きく「採算はギリギリ」と悲鳴を上げる。パン屋などでは値上げに踏み切る店も出ており、小麦の配送会社では、燃料費高による配送コストの上昇にも頭を痛めている。
「現状は厳しいが、値上げすれば客足が遠のく」と心配するのは、大分市明野の生パスタ店「80度カフェ&キッチン」。客の約八割がリピーターだという。「できるだけ安くおいしいパスタを食べたいという客の期待を裏切れない」と話し、値上げせずに人件費を減らすなどして経費を節減している。
お好み焼きやだんご汁などが人気の「大納言」(同市府内町)。約四十年間値段を変えずにきたが現状は厳しいという。一度は値上げを考えたこともあったが、五月は従業員自ら産直店を回り、できるだけ安い食材を探すことで値段を据え置いている。「今月、赤字になるようであれば、値上げも考える。ボリュームの多さがうちの売りなので量は変えない」
トキハ本店のパン屋「ドンク」は、昨年十一月と今年五月の値上げで、ほぼすべての商品が約二割高くなった。「材料の質にこだわるので値上げせざるを得なかった。きちんと説明できるように接客の教育をしている。誠心誠意の対応で理解を求めたい」と説明する。
配送業者もできるだけ安く小麦粉を届けるため、コストを抑える手段として出荷回数を減らすよう飲食店に要請しているという。「価格高騰は世界的規模の話。飲食店の状況も分かるが、卸売価格は下げられない」と苦悩の表情を見せた。
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