「子どもと夢を!」をテーマに、五月五日の開催が間近に迫った玖珠町の第五十九回日本童話祭(大分合同新聞後援)。昨年、虫干し中に破れたジャンボこいのぼりは、新たに町民の手で製作され、メーン会場となる三島公園と玖珠川河川敷でも、準備が着々と進む。当日は、童話の里にたくさんの子どもたちの歓声がこだまする。
「日本のアンデルセン」と称された口演童話家・久留島武彦の功績をたたえて始まった日本童話祭。「子どものために」「子どもを主体にした」「子どもを楽しませる」行事にすることを理念に、町民参加型の祭りとして発展を続けてきた。長年、童話祭を支えてきた三島、河川敷両会場の事務局長が、その思いを語る。
三島会場の事務局長を務める秋山泰士さん(60)は第一回の童話祭にも親に抱かれて参加。記憶に残る情景は、ほぼすべての森地区の住民が町内を練り歩く「どんたく隊」の姿。「全員が祭りのつくり手で、なおかつ観客だった」と懐かしむ。
幼いころに祭りを楽しんだ人たちが語り部のサークルなどを立ち上げ、組織のすそ野を広げていった。「子どもたちに夢を与えることで、次世代に伝えていきたい」。
毎年、祭りが近づくと胸が高鳴る。仕事の合間を縫い、仲間とともに寝る間を惜しんで、おとぎ劇場の舞台装置を手作りする。「大変だけれど、その倍楽しい。すべては、子どもたちの喜ぶ顔のためなんです」と秋山さん。
河川敷会場の事務局長を務めるのは小野哲郎さん(53)。二十年以上、つくり手の中心としてやってきて思う。「回を重ね、童話祭の理念を知らない人が増えた」。毎年、酒の販売を求める声が親から聞こえる。子どものための祭りであり、会場では一切のアルコールを提供していない。「親は子どもを喜ばせることに徹してほしい」と呼び掛ける。
最近の子どもは無邪気な笑顔が少なくなったという。「童話祭にはテレビゲームにはない、子どもを笑顔にする力がある」と話す。来年は六十回の節目。「派手な演出はいらない。童話祭の原点に戻り、町民全員の手で盛り上げていきたい」と語った。
●仮装パレード 新青ゴイ登場
日本童話祭の三島公園一帯や町中心部の玖珠川河川敷では、子どもを主役に祭りのプログラムが繰り広げられる。
○三島会場
日本一の童話碑が立つ三島公園とその一帯は祭りの主会場。仮装パレードを迎えて午前十時十五分から野外ステージで童話祭式がある。大分国体の炬火(きょか)採火が式の中で行われる。
わらべの館や付近のお寺では、腹話術や影絵、人形劇などの「おとぎ劇場」が開幕、子どもたちを夢と童話の世界へと誘う。昔の遊びの体験コーナーも設けられ、一日を楽しく過ごせる。
○河川敷会場
広い河川敷が遊びのフィールドになり、午前十時からイベントを開始。子ども太鼓フェスティバルや魚のつかみ捕り、ジャンボこいのぼりのくぐり抜けなどがある。
ホッケーで遊ぼうやミニSL試乗、中国武術の演武のほか、懐かしい昔の遊びも体験でき、ことし新しく作られた青ゴイも登場、雄々しく泳ぐ姿が楽しめる。
=関連行事=
【4日】▽第二十五回全国児童生徒俳句大会表彰式・当日句会(午前十時・わらべの館)▽つのむれおとぎ登山(同・三島公園出発)▽久留島武彦顕彰式・語り部大会(午後一時・わらべの館)
【5日】▽子ども映画大会「ワンピース エピソード オブ チョッパー冬に咲く、奇跡の桜」(午前十時半、午後零時四十五分、同三時・トキハインダストリー玖珠センター、入場無料)
●会場巡りに便利 シャトルバス「利用しよう」
日本童話祭実行委員会は、日本童話祭で、町内森の三島会場と玖珠川河川敷会場を結んだシャトルバス(無料)を走らせる。
シャトルバスは大型バス八台で、五日午前九時から午後五時まで、利用者の状態を見ながら、五分から十五分間隔で、両会場間を運行。
臨時バス停は、河川敷会場そばの協心橋下流の河川敷、JR九州久大線の豊後森駅前、くすまちメルサンホール前、玖珠インターチェンジ前、森中央小学校前と、三島会場に近い森コミュニティーセンターの六カ所。
河川敷や玖珠インターチェンジ前駐車場、森中央小学校グラウンドは、臨時駐車場として見物客らに開放されるので、シャトルバスを利用すれば会場巡りが便利になる。
●童話祭の記念 ワッペン作製
日本童話祭実行委員会は、祭りに参加した子どもたちに配る記念ワッペンを作製した。
直形九センチほどの丸形をしたカラー刷り。絵柄はことし新たに作り替えたジャンボこいのぼり「青ゴイ」を取り入れ、コイの背に乗った子どもと赤鬼などで構成している。
ワッペンは一万四千五百枚を準備。三島会場や河川敷会場でプレゼントする。
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