大分のニュース

文理大付サヨナラV 予選決勝

[2008年04月04日 11:03]

【柳ケ浦―文理大付】延長10回裏にサヨナラ勝ちし、喜ぶ文理大付ナイン=新大分球場

 第122回九州地区高校野球大会県予選最終日は3日、新大分球場で決勝があった。文理大付が柳ケ浦を下し、佐伯高校時代の1974年以来、67季ぶり2回目の優勝。選抜大会枠で既に出場が決まっている明豊(3季連続8回目)とともに、九州地区大会(19―24日・長崎)に出場する。
 試合は終盤まで、柳ケ浦がリードする展開。しかし、九回に文理大付が起死回生の3点本塁打で同点に。勢いに乗り、延長十回、サヨナラ本塁打で劇的な勝利を収めた。
 閉会式では宮崎和則県高野連会長が優勝、準優勝チームを表彰。文理大付がダイヤモンドを一周した。

 ▽決勝
柳ケ浦  1001210000 |5
文理大付0001100031x|6
(延長10回)

 【評】文理大付が土壇場で本塁打攻勢。3点差で迎えた九回、山田、御手洗の連打で好機を築き、4番河野元の右中間本塁打で同点に。一気に勢いづいた延長十回、先頭の斉藤が左翼本塁打。劇的な幕切れとなった。
 柳ケ浦は文理大付・日高の立ち上がりを攻め、先制。その後も着実に得点したが、詰めの甘さから逆転を許した。守備の乱れによる失点も響いた。

 伸び伸びと野球を楽しむ新生文理大付が、2本のアーチで奇跡を生んだ。優勝は34年ぶり。緊張とは無縁のナインが、遠ざかっていた栄冠をつかんだ。「驚いた。気後れせずにプレーした選手はすごい」と就任3カ月の河本啓靖監督。
 劇的な大逆転だった。河本監督のサインは「思い切って振れ」。同点の3点本塁打を放った河野元太朗は「絶対に打てると思っていた」とフルスイング。サヨナラ本塁打の斉藤吉美は「あまり覚えていない。びっくりした」。ともに高校に入って初の本塁打だった。
 昨秋は前評判こそ高かったが、結果が出なかった。今年の1月に河本監督が就任。変えたのは練習時間の短縮だけ。「みんな明るい子だから、選手に任せてムードを大切にした」と河本監督。
 雰囲気はガラリと変わった。合言葉は「野球を楽しもう」。向畑竜斗主将は「秋までは勝ちにこだわってピリピリしていた。でも今は練習から楽しんでいる」と振り返る。
 試合中の選手はピンチでも笑顔。河本監督はベンチから身を乗り出して声を張り上げた。「エラーしても思い切ってやれ」。二塁手の御手洗明宏は「緊張や重圧がほぐれる」と頼もしく感じた。
 打者へのサインはほとんどが「積極的に振れ」。犠打の指示もほとんどしなかった。「選手が自分で考えて、迷いなくやっていたから」と河本監督。選手と監督の強い信頼関係で頂点へ登り詰めた。

 文理大付・山田展之(九回裏、同点の口火となるヒット)「後ろにいい打者がいるので、塁に出ることだけを考えていた」

 文理大付・日高亮(5失点するも終盤は立ち直る)「球が高く、低めを丁寧に突くことを意識した。打線が追いついてくれると信じていた」


柳ケ浦「詰めが甘かった」

 手に入りかけていた7季ぶり7度目の優勝が滑り落ちていった。柳ケ浦の藤久保茂己監督は「ツメの甘さが出た。こんな負け方は記憶にない」。表情に浮かぶ無念さは隠しようもなかった。
 結果が出ていなかった今チームが存在感を示し「うちにもチャンスはある」と確認した大会だった。だが決勝では、ほころんだ自慢の守備など、あらわになった課題が勝ちきれなかった要因ともなった。「投手力、守備力、打撃力、それに精神の甘さ。すべてが課題。もう一度鍛え直す」
 好投しながら最終回にとらえられた先発の高山翔一は「情けない。ピンチでも冷静な投球ができるよう、もっと気持ちを強くしていく」。赤い目でリベンジを誓った。

 柳ケ浦・舞田京平(六回の追加点で口火を切った)「前日まで調子が悪く迷惑をかけていた。自分が出たらみんながつないでくれると思った」

 柳ケ浦・松原弘樹(四回の2点目の適時打)「前の舞田が打てなかったのをカバーするつもりでつなぐことを意識した。活躍しても負けは負け」


【大会評】大津・県高野連理事長

縮まった各校の差

 第122回九州地区高校野球大会県予選は文理大付の優勝で幕を閉じた。県高野連の大津裕也理事長に、今年の県高校野球界の特徴や、夏の大会までに向上してほしい部分を聞いた。
 ―今大会から見えた県勢の特徴は。
 飛び抜けた選手はいないが、バランスがとれた選手が多い。大崩れせず、試合をつくれる投手が各校に一人はいる。そのため、各校の差が年々縮まっている。夏は初戦で番狂わせもあり得る。ただ、守備はまだまだ。エラー絡みの失点で崩れるチームが多かった。
 ―冬の練習の成果は出ていたか。
 明豊の九州大会優勝で各校に目標ができたのが大きい。藤蔭の打撃など、冬の間に各校に弱点の克服が見られた。
 ―夏に向けて取り組むべきことは。
 体力など、冬の財産を維持することが絶対条件。全体的に走塁はまだまだ未熟。得点を奪えるところで次の塁を狙う姿勢が少なかった。三塁コーチャーの育成にも、力を入れてほしい。

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