豊和銀行(大分市)は十一日、同行が発注した工事をめぐり詐欺罪で起訴された、同行元常務の漆(うる)間(ま)角(かく)人(と)被告(60)=同市上宗方=に約四千六百万円の損害賠償を求める訴訟を大分地裁に起こした。
梛原憲治頭取は記者会見で「(同行の)経営責任究明特別委員会の調査で、漆間被告が当時の立場を悪用して不正をしたことが判明した」と提訴の理由を説明。刑事事件として立件された詐欺行為以外の不正についても、近く追加提訴する方針を明らかにした。
訴えによると、漆間被告は同行工事の発注担当だった二〇〇二年七月―〇三年一月に行われた、行員寮(大分市田ノ浦)ののり面工事で三千三百六十八万四千円、本店仮設事務所の設置工事で千三百二十一万千百円を、それぞれ不正に水増しし、同行に損害を与えた。
漆間被告はこの二件について詐欺罪で起訴されており、水増しによる損害額は同行が県内業者の見積もりに基づき算出。これとは別に、漆間被告が総務部副部長時代の一九九六年ごろからかかわった約五十件の工事も調査中で、「不正が立証できるものは追加提訴する。(追加分は)五千万円を超える可能性もある」という。
漆間被告は二つの支店の改修工事をめぐっても詐欺罪で起訴されている。この損害額(計五百七十四万円)については、同行にある漆間被告名義の預金の一部を強制解約し、既に損害回復に充てているとして、今回の提訴には含めなかった。
一連の詐欺事件では、知人の業者も起訴されているが、同行は「まずは、旧経営陣の漆間被告の責任を明確にしたい」とした。
漆間被告の代理人は「(損害賠償については、銀行側と)円満に解決したい」とコメントした。
漆間被告の詐欺罪の初公判は二十四日に予定されている。事件については否認を続けている。
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