
発見された約350万年前のミエゾウの切歯化石=宇佐市安心院町森の深見川川岸
宇佐市教委は十六日、同市安心院町森の深見川川岸の地層から、およそ三百五十万年前のミエゾウの切歯(せっし)(牙)化石が発見されたと発表した。同町でミエゾウの化石が見つかったのは一九九五年以来、三例目。切歯化石はこれまで国内四カ所で発見されているが、これほどまとまった形で出土するのは珍しいという。
九重町南山田中学校教諭の北林栄一さん(55)が今月六日、現地で化石の調査中、地層から一部露出しているのを発見。連絡を受けた同市教委と滋賀県立琵琶湖博物館が共同で調査した結果、牙の湾曲に沿った長さ一・五六メートル、直径十六センチの切歯化石を発掘した。
同市教委文化課によると、発見されたのは「津房川層」(約四百万―三百万年前)。付近の火山灰層の年代からおよそ三百五十万年前の化石と考えられ、この時代に日本に生息していたゾウは大型のミエゾウ(肩までの高さ約四メートル)しか分かっていないという。
同町では九五年、今回の地点から約二十メートル上流で、やはり北林さんの発見からミエゾウの骨格化石ほぼ一個体分を発掘。二〇〇四年には町内平山のため池から、頭部の化石がほぼ完全な状態で見つかっている。
今回、発見された切歯は基部に近い部分。内部には神経や血管が通る歯髄腔(しずいくう)という空間が見られ、〆野勝教同課主査は「切歯の形態を調べる上で貴重な標本」としている。
●保存状態よく貴重
高橋啓一・滋賀県立琵琶湖博物館総括学芸員の話 国内四カ所で出土している切歯化石に比べ、保存状態も良く、貴重な史料といえる。こうした史料が出てくることで、ミエゾウが中国の祖先種からどう進化したか、また、その時代の動物群がどのようなものであったかの解明につながる。
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