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【総合】挑戦を未来へ<1>県民総参加栄冠つかむ

[2008年10月23日 09:17]

解団式で天皇杯・皇后杯獲得を喜び万歳をする県選手団=7日、九石ドーム

道示した“大分方式”
 第63回国民体育大会・大分国体、第8回全国障害者スポーツ大会・大分大会が終わった。大分国体はジュニア世代から地道に育成した「手づくり選手」の活躍で42年ぶりの天皇杯、初の皇后杯を獲得。障スポ大分大会では過去最多133個のメダルを獲得。「障害者スポーツ発祥の地」として県内外の選手に温かい声援が送られた。
 肥大化した運営経費の縮小、国体を国内最大のスポーツの祭典に戻すことを掲げた日本体育協会の「国体改革2003」。その完全実施年が大分開催と重なった。既存施設の活用、県外開催の導入などで、県運営費は総額約146億円。1999年熊本国体(約816億円)の約6分の1に抑えた。優秀選手を県外から大量にスカウトする従来の強化方法も見直した。
 当初は「本当にこれで天皇杯が取れるのか」「経費を抑えて成功するのか」と懸念する声もあった。それでも”大分方式”にこだわり続けて天皇杯・皇后杯を獲得し、県民の温かいもてなしを実現。両大会にかかわった人たちは「県民総参加で支えた結果。自信になった」と喜ぶ。
  ◇  ◇  ◇
 10年以上の準備を経て、最高の形で結実した大分国体と障スポ大分大会。その成果や残された課題を検証する。(9回続き)


自信と充実感”財産”に

改革に沿い簡素化
 「第1位、大分県」―。第63回国民体育大会・大分国体の閉会式はひときわ大きな歓喜に包まれた。天皇杯と皇后杯を受け取ったのは津島大晟選手(剣道少年男子)、長谷部麻衣選手(新体操少年女子)の高校生2人。津島選手は「ズシリと重さを感じた」という天皇杯を高く掲げた。42年ぶりの悲願達成と同時にさまざまな”財産”が未来に受け継がれた瞬間だった。
 国体と障スポ大会の運営に奔走した県や市町村の担当者にも安堵(あんど)の表情が浮かんだ。2003年に国体改革案が示された後、地方財政はますます苦しくなり、このままでは1県単独開催が難しい時代が訪れようとしている。国体改革に沿った”大分方式”に全国の注目が集まった。
 江川清一・県国民体育大会・障害者スポーツ大会局長は「県民や競技団体に理解を求めながら運営経費を抑えていかなければ、今後はどこも開催を引き受けることはできない。『大分が道筋を示さなければ』という思いがあった。成果は今後の開催地に引き継いでもらえるのでは」と話す。

学校で学べぬ経験
 簡素化が求められ、大会を盛り上げ、県民の感動を生んだのが県選手団「チーム大分」の大活躍だった。日本体育協会も活性化策として、05年度から成年を対象に出身中学または高校がある都道府県から出場できる「ふるさと選手」制度を導入。トップアスリートの成迫健児選手(陸上・四百メートル障害)らも一員に加わった。その選手たちに両大会を通じて延べ約48万人が会場を訪れて声援を送った。
 また、ボランティア約1万4800人が運営に協力。特に障スポ大分大会には高校生や大学生が多く参加し、「学校で学べない貴重な体験は今後の大きな財産になった」と話す。民泊を機に受け入れ家庭と選手との温かい交流も始まった。
 両大会を終えた後、広瀬勝貞知事は「多くの県民がかかわって達成感が生まれた。充実感と自信につながったのが一番大きかった。これを未来の大分の飛躍につなげたい」と胸を張った。

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