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【陸上】人一倍の郷土愛「五輪と同じ価値」

[2008年10月05日 11:56]

陸上成年男子400メートル障害で優勝し、ガッツポーズをする成迫健児選手=4日、九州石油ドーム

 フィニッシュ後、感情が爆発した。何度も雄たけびを上げ、拳を突き上げる。夢の瞬間にたどりつき、解き放たれた姿だった。陸上成年男子四百メートル障害で成迫健児選手(24)=ミズノ=が圧勝。“大分の顔”が地元で国体5連覇を達成した。
 優勝選手を大勢の報道陣が取り囲む。座り込んでスパイクを脱ぎ、申し訳なさそうに言った。「(取材は)座ったままでいいですか」。それほど、エネルギーを使い切っていた。

 まさかの予選落ちした北京五輪後はさすがに「気持ちの沈みが大きかった」と認める。しかし、「すべてはこのためにやってきた」。そう口にしてきた大会が、県産ハードラーを奮い立たせた。
 アキレスけんの故障は完治していないが、今できる練習を積んだ。細心の注意を払って調整し、この日を迎えた。レース前の様子を父の壱さん(49)は明かす。「見たことがないくらいピリピリしていた」。成迫も「こんなプレッシャーのかかるレースは経験したことがない」。
 かつてないほど集中力を研ぎ澄ましスタート。ついてこれる選手がいない圧勝にも「最後まで勝ったか分からなかった」。ただ、夢中だった。
 十種競技の選手だった壱さんの息子として育ち、鶴城高を卒業したころから、大分国体を意識してきた。郷土愛は誰にも負けない。五輪選手となっても「北京五輪と大分国体は自分にとって同じ価値」と常に口にしてきた。五輪前に故障したとき、「五輪で無理をして、大分国体に出られなくなったらどうしよう」と考えたほどだ。
 向かい風に打ち勝ち、思い描いていた通りのフィニッシュを迎えた。「最高。もうこんな喜びは二度とないかもしれない」。九石ドームに笑顔が映えた。

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