![]()
【銃剣道成年】決勝戦で大将の宮添勇(陸自別府駐屯地)=右=が4分16秒、上胴を決める=由布市の湯布院中学体育館
試合終了のあいさつが終わり、面を取る。陸自別府駐屯地で編成する成年の剣士3人の目は赤く腫れていた。
決勝戦の相手、熊本はパワーとスピードで押してくる。先鋒(せんぽう)の八岡慎悟(29)は一本取ったものの、敗退。中堅の河野盛和(30)は試合開始直後、鮮やかにのどを決めた。「相手に取られてはならない」の一心だった。大将の宮添勇(31)は緊迫した打ち合いの中で、のどと上胴を決めた。「仕事の面でも助けてもらった同僚のためにも、負けるわけにはいかなかった」と振り返った。
出場が危ぶまれた中での優勝だった。八岡の母、元子さん(51)はリンパ腫で入院中。8月14日、自身の骨髄を母に移植したばかり。満足に練習ができなかった。「結果を早く母のもとに報告したい」と泣き崩れた。
宮添の妻、真努香さん(29)は妊娠中だったが、母子ともに危険な状態だった。「『出場できそうにない』と一度は総監督に相談した」と明かす。
メンバー変更の締め切りは9月27日。しかし、菅信也総監督(48)は3人を信じ、変更届を出さなかった。その翌日、宮添に元気な男の子が誕生。母子ともに健康だ。宮添は「みんなに迷惑をかけた分、国体でけじめをつけようと思った」と顔をくしゃくしゃにした。
菅は「いろいろありすぎたが、選手には『人事を尽くして天命を待つ』と諭した。努力が結果を導いてくれた」。表彰式後、やっと笑顔が出た。
接戦落とし後藤は5位
県勢3選手が出場した成年グレコローマンでは、2年連続優勝を狙う84キロ級太田充洋(29)=津久見高教=が、圧倒的な力を見せつけて準決勝に進出。74キロ級後藤秀樹(25)=日本文理大職=は5位に入賞。120キロ級高山裕章(日本文理大3年)は2回戦で敗れた。
太田は豪快に技を繰り出し、得点を重ねた。終始優勢の試合展開に、インターバルでは余裕の笑み。「もう一歩踏み込んでもよかった。明日は自分の持ち味のリフトで、優勝を目指したい」と気を引き締めた。
準々決勝で後藤は第3ピリオドまでもつれ込む接戦だったが、惜しくも敗れた。「目標は優勝だった。気を抜かないようにとは思っていたが。相手に力があったのでしょう。これ(5位入賞)がすべてです」と悔しがった。
平も5位に
少年グレコローマンでは、66キロ級榊真嗣(文理大付高2年)と74キロ級亀井竜昇(同3年)が準決勝に進出した。60キロ級平雄大(同3年)は5位に入賞。120キロ級坂元将悟(同2年)は2回戦で敗退した。
榊は接戦を制した。転がされそうなピンチに勝龍三郎監督(38)=文理大付高教=が「返ったら終わりだぞ」と大声を掛けると、相手のローリングをブリッジで必死に耐えた。「体調が良くなかった。明日の相手は強いので、ベストで臨みたい」と気合を入れ直した。
亀井は得意のローリングを連発させ、主導権を握った。「1試合目は思うように点が取れなかった。2試合目は自分の持ち味が出せた」と振り返った。
▽成年3回戦大分 3―0 福島
▽同準々決勝大分 2―1 石川
▽同準決勝大分 3―0 香川
▽同決勝大分 2―1 熊本(大分は初優勝)
※無断転載を禁じます。 当ホームページに掲載の記事、写真等の著作権は大分合同新聞社または、情報提供した各新聞社に帰属します。
Copyright (c) 2008 OITA GODO SHIMBUNSHA