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【馬術】新体操 妖精 大技ピタリ

[2008年09月30日 10:29]

鶴見丘高の華麗な演技=別府市のビーコンプラザ

 試技順1番の重圧も吹き飛ばした。新体操少年女子の鶴見丘高は3年ぶりに王座を奪回。ロープでつくった“投げ輪”の中をくぐり抜ける大技も決まった。大分国体に懸けた「妖精」の挑戦は、最高のフィナーレを飾った。
 攻める姿勢が魅力につながった。九州高校大会(6月)は大技を失敗し、団体5位と惨敗。松永恵子監督(31)=鶴見丘高教=は言う。「失敗を回避する”安全策”で大技をしない選択もあった。しかし簡単で確実を狙わず、選手を信じた」
 ロープを投げる佐藤美輝(ひかり)(1年)は大技の”生命線”。岡田穂菜実(同)がくぐり抜けられるよう、いかに輪を開けるか。1月以降、練習で数千本も投げた。しかし大会直前に輪が開かなくなり、投げ方を急きょ変更。
 「お願い開いて」。投げたロープは大きく輪になった。高く跳んでくぐり抜けた岡田は「今まで体験したことがない感情です」と涙した。松永監督は「完ぺき。佐藤はかなり緊
張していたが、大きな試合でいつも決められる」
 表彰式後、胴上げで健闘をたたえ合った。「大分国体のために―と、いろんな経験をさせてもらった。つらいときは先生が『一人じゃないよ』と言ってくれた」(長谷部麻衣主将=3年)。たどり着いた終着点は、光り輝いていた。

 ▽少年男子総合(個人+団体)(3)大分(日出暘谷高=天野、小谷、菅、古田、栗原)36・7625点(個人18・0875、団体18・675)
 ▽少年女子総合(個人+団体)(1)大分(別府鶴見丘高=岡田、一丸、長谷部、佐藤美、渕上)27・8625点(個人13・8875、団体13・975)

日出暘谷高校 有終の3位
 「快挙」と言っていいだろう。新体操少年男子団体で初出場の日出暘谷高が高得点をマーク。種別総合3位に食い込み、創部10年目にして悲願の表彰台に立った。
 自信はあった。前日の個人総合で3位発進。有村徳文監督(39)=日出暘谷高教=は、努めて冷静にメンバー5人を大舞台へ送り出した。「普段通りの力を出せばいい。みんなで攻めろ」
 開始15秒。タンブリング(宙返りなど)を複雑に絡めたダイナミックな組み技が決まる。拍手喝采(かっさい)のビーコンプラザ。どよめく場内で高難度の大技三つすべてを決めた時点で、日出暘谷高は入賞をほぼ手中にした。それほど、演技は完ぺきだった。
 主戦の菅正樹(2年)は言った。「幼いころから大分国体を目指して練習してきた。今までで最高の出来だった」。個人(リング)でのミスを帳消しにした小谷笙平(しょうへい)(同)が「夢のような舞台だった」と声を震わすその横で、主将の栗原恭兵(3年)は静かに涙をふいた。「最後の最後にみんなが一つになった」
 国体最後の、しかも栄えある地元開催でつかんだ表彰状。県民の記憶に残る2分57秒だった。

復活を願い「ファイト!」
 男子選手の目が寂しげだった。大分国体を最後に休止される新体操男子は29日、別府市のビーコンプラザで表彰式の後、”復活”を願うセレモニーがあった。日本体育協会の国体改革で休止が決定。満員の観客約2000人が惜しむ中、国体から去った。
 迫力ある宙返り。空中で交差。一瞬の間にできる”人間山脈”。選手5人による一糸乱れぬ演技が、男子団体の魅力。国際大会がないなどの理由で「削減」の対象となった。しかし、根強いファンは多く、国体やインターハイなどの試合会場は毎年、超満員だ。
 初出場で3位に導いた有村徳文少年男子監督(39)=日出暘谷高教=は無念の表情を浮かべた。5年前、新聞で削減案を見て、「どういうことだ」と驚いた。男子新体操の指導者らが結束し、「国体に残してほしい」という嘆願書を日本体育協会へ送った。
 「ファイト」。セレモニーで男子選手全員が気勢を上げた。
 前身の一般体操として1949年から続いた歴史は止まった。

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