大分の選挙

若者の投票率どう上げる? 座談会

[2009年08月27日 09:40]

若者の政治意識について意見を交わす県内の大学生。(左から)黒木さん、大倉さん、小野さん、屋宜(やぎ)さん、合原さん

 衆院選の投開票まで残すところ3日となった。政権選択を問う選挙とあって、有権者の関心は高いようだが、気になるのは国や地域の将来を担う若者の投票行動だ。若年層の投票率の低下傾向は続いている。若者の政治離れは彼らの側に一方的に原因があるのだろうか。話を聞くと「報道で見聞きするのは不正献金疑惑など政治不信を招く話題ばかりで希望が持てない」「政治家は選挙になると、聞こえのいいことばかり言う。実現したことと、できなかったことをきちんと示してほしい」といった政治への不満の声が聞こえてくる。大分合同新聞は若者の本音を探るため、公示後、県内の大学生5人に集まってもらい座談会を開催。政治への関心度や、どうすれば投票率が上がるか、意見を聞いた。

 若い世代の中でも20代の低さは顕著だ。県内の国政選挙での20代の投票率は▽04年参院選 39%▽05年衆院選 36%▽07年参院選 34%―と低下傾向。07年参院選では60代(77%)の半分以下で、30代(53%)を約20ポイント下回った。若者の選挙離れは長期的な傾向となっており、抜本的な解決に向けた取り組みが求められている。
 県選管や県明るい選挙推進協議会(明推協)は「若いころから投票に行く習慣を身に付けていなければ、急に呼び掛けても意識を変えるのは難しい」と懸念。街頭啓発や期日前投票の立会人などに大学生を起用して選挙にかかわる機会をつくったり、小中学校で模擬投票を通じて選挙の仕組みを学ぶ「出前授業」などの取り組みを進めている。
 県明推協副会長を務める県立芸術文化短期大学教授の吉山尚裕氏は学生を指導する立場から「若いころは政治を切実な問題としてイメージしにくいかもしれないが、年金問題など何十年か後に自分の問題として降り掛かってくることは多い。将来を見据えしっかり考えて行動しなければならない」と指摘している。
  
 <メモ> 若者の衆院選への関心度は、大分合同新聞社が20日~22日の3日間、県内の有権者を対象に実施した世論調査(RDD方式)でも、衆院選に「関心がある」とした20歳代は「大いにある」「少しはある」を合わせて70・6%で、全世代の平均(87・4%)を大きく下回った。

 <若 者 座 談 会>

 低下する20代の投票率。一体なぜだろう。当事者である県内の大学生5人が若者の政治意識について本音で話し合った。
 出席者は黒木美里さん(21)=大分大学教育福祉科学部4年、合(ごう)原(ばる)良亮さん(22)=同大医学部2年、大倉鉄也さん(23)=同大大学院教育学研究科2年、小野牧人さん(22)、屋(や)宜(ぎ)恵利奈さん(21)=立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部4年
 【投票率低下の原因】
 小野 みんな選挙には「行かなきゃ」という気持ちはある。でも行って何かが変わるという感覚は薄い。
 屋宜 汚職や献金問題など悪いニュースばかりだし、政党同士の中傷合戦を聞いていると、行っても意味ないんじゃないかと感じる。
 黒木 自分が一票入れたところで何も変わらないと思ってしまう。国民が喜ぶことばかり言うけど、(財政が厳しくなる中)実現の期待が持てない。
 大倉 投票に行っても行かなくても結果は同じ。「それなら別に行かなくてもいいじゃん」というのが学生の感覚なのかも。
 小野 投票率が低いというだけで若者の政治意識が低いと判断されるのは納得いかないなあ。NGO(非政府組織)や地域貢献活動に参加する形で政治的な意思表示をしている人はたくさんいる。政治家が彼らに意見を聞き、思いをくむ機会はあるべきだ。
 【政治に希望を持つには】
 黒木 政治の成果や明るい話題を知りたい。
 屋宜 そう。この人がこういう成果を挙げたとか、何かが前進したという話をもっと聞きたい。演説でも相手の批判ではなく、「自分たちはこれをする」という主体的な話をしてほしい。
 合原 投票で何が変わるか、きちんと示してほしい。僕たちの一票を持って国会に行くのだから、そこで何をしているかを報告するのは最低限の義務。実態が分からないから政治が遠い。
 小野 それは問題の核心だと思う。政治家の総決算の場があるといいね。
 大倉 今は誰が出ても期待できない。ちゃんと行動で示す有言実行の議員が出てくると、「頑張ってほしい」と自分から投票しに行くようになるのに。
 【投票制度の改善点】
 合原 投票日に行けないので、期日前投票を済ませた。もっと投票しやすい環境が必要だと思う。
 大倉 ネット投票はできないだろうか。
 屋宜 そのとき一緒にマニフェストも見られたらいいのにね。
 合原 確かに今のシステムでは腰が重くなる。「この人のためなら投票に行こう」と思えるような候補にどんどん出てきてほしい。

県内過去の選挙

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