かぼす論壇~故郷への提言

「変革の突破口」になるとの気概を

[2012年01月20日 13:59]

三菱電機常任顧問
 佐藤行弘さん

 【さとう・ゆきひろ】別府市出身。別府鶴見丘高校、大分大学経済学部卒。三菱電機入社。経理部長、常務取締役、専務執行役員などを歴任。代表執行役員副社長を経て、2009年6月から現職。財務会計制度に明るく、経済産業省企業財務委員長、金融庁企業会計審議会委員、同庁参与など数々の公職を兼務している。64歳。

 東日本大震災を機に、日本の経済社会は大きな転換期を迎えた。東京一極集中は限界にきており、多極分散の方向に進む。東京の成長力が地方を引っ張るのではなく、地方自体が自らの努力で元気になっていかなければ国の将来はない。
 東北は震災で甚大なダメージを受けたが、国を挙げて復興に取り組んでおり、まったく新しい街づくりが進んでいる。今は大変だが、10年間で大きく様変わりするだろう。大阪も都構想が実現に向けて動きだした。橋下徹氏という新しいリーダーの登場で、住民の意識は変わり始めており、大化けする可能性はある。

 九州は成長著しいアジアに近いという地理的な利点もあり、発展の潜在性は十分にある。その中心は福岡かもしれないが、大分県には「変革の突破口」になるとの気概を持って頑張ってほしいと願っている。
 歴史的な円高水準が続き、日本企業の海外進出は避けられなくなった。中小零細の間でも、大企業に呼応した動きが出始めており、地方での過疎に拍車が掛かる恐れもある。

 そこで提案だが、県の活性構想を考える独自の検討会を設置してはどうだろうか。論じるテーマは主に二つ。一つは県内にある商品やサービス、観光資源に関する情報を全国に発信し認知度を高める戦略。もう一つは「新しい魅力の創造」。県内にヒト、モノ、カネを呼び込む仕掛けづくりだ。参考になる取り組みが隣国にある。韓国の国家ブランド委員会だ。大統領直属の機関で国の地位やイメージ向上に英知を結集する。Kポップに代表される韓国文化の流行の背景にはブランド委の方針に基づいた国を挙げての支援がある。

 もちろん、大分県のような一自治体と韓国のような国とでは、組織の規模も使える予算も違う。だが、ヒントはあるはず。幸いにも県出身者の中には、各界の第一線で活躍する優秀な人がたくさんいる。彼らのネットワークを生かさない手はない。
 過疎高齢化が深刻な地域では、地域資源を活用したコミュニティービジネスの支援が重要だ。福祉など地域の課題解決につながるビジネスもある。小規模でも始められるよう、民間からの寄付を活用できる仕組みについても検討していただきたい。

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