「ゲゲゲの~」とともに昨年の年間「流行語大賞」トップテンに入った言葉に、「無縁社会」というのがある。NHKの特集番組を記憶している人も多いだろう。「孤独死」に続く言葉として衝撃を与えた。
かつては3世代同居も珍しくなかった。しかし、核家族が言われて久しい現代、独身や離婚、配偶者の死などで年齢を問わず一人暮らしが増えている。
そして近年、家族や友人らと縁が切れたまま人知れず亡くなり、無縁仏として葬られるケースが相次いでいる。そういう状況が「無縁社会」なのだという。NHKの番組によれば、年間3万人にも及ぶ。
さらに昨年は、生きているはずの111歳の男性が、実は約30年も前に死亡していたことが分かった。これをきっかけに行政が調べると、住民基本台帳に記載されながら、所在不明の100歳以上が全国で300人以上に上った。
人が生きているのか、死んでいるのか分からないのが現代なのだ。それを象徴するような出来事だった。
正月から暗い話になってしまったが、今年も状況は変わらない。いや、それどころか、さらにひどくなるのではないかと思われる。
昨年、内閣府が発表した高齢者調査によると、孤独死を「身近な問題」として感じている60歳以上が43%もいた。「近所付き合いが少ない」「家族、親戚と付き合いがない」も37%あり、無縁死“予備軍”となっていることが分かった。
一人暮らしは元気なうちは気ままでいい。しかし、年とともに足腰が弱ってくるし、いったん病気となると外に出なくなる。友人や近所付き合いがなければ、誰も訪れるものがなく、死んでも分からない。
進んで縁を求めない限り、自分も「無縁社会」の構成員の一人になりかねない時代。今どき老人クラブなんて古い―と思うのは、逆に古いのかもしれない。
いま一度、それぞれが自分の生き方を振り返ってはどうだろうか。同時に、誰もが社会の在り方に関心を持つ、そんな1年にしたいものである。(編集局次長兼報道部長・清田 透)
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