「春を呼ぶ」とはよく言ったものである。2月下旬のこの時季、「三寒四温」を経ながら、季節は移ろう。その「使者」として、駅伝ランナーが県内各地を回る5日間、確実に春の“足音”は大きくなる。22日、ことしも恒例の県内一周大分合同駅伝が始まった。
新聞社に入ってすぐ、内勤の整理部に勤務した。記者が書いた記事を読み、見出しを付け、紙面を作り上げる。スポーツ面を担当し、一周駅伝も編集した。でも、どこか実感がわかない。恥ずかしながら、机上ではいくら考えても分からないのだ。毎日毎日走って、どこが面白いのか、と。
ところが、支局勤務となって取材すると、その考えは一変した。駅伝がこんなに面白いのか、と。沿道に子どもたちからお年寄りまでが出て、ランナーに声援を送る。それぞれが郷土の期待を担って走る姿は、住民の思いと相まって感動的なのだ。
当たり前だが、見ないと何でも実感できない。懸命に走るランナー一人一人の息遣い。それを支える監督らスタッフから、各地で温かくもてなすボランティア、そして応援する人たち。これらが一体となることで、大分を舞台にした一つのドラマが展開する。
もし、まだ見たことがなかったら、ぜひ近くを走るランナーの応援に、沿道に出てほしい。そして、声の一つでも掛けてみてはどうだろうか。きっと、彼らの走る意味が分かるだろう。そして、本紙の紙面を見てもらえれば、2倍駅伝を楽しめる。
ことしで大会は52回目を迎えた。歴史も規模も、全国的に注目される郷土の一大イベントだ。県内各地を走る選手とスタッフ、それぞれの地域住民が一つになって繰り広げる駅伝。このパワーを大分県の地域づくりに生かしたいと思う。
駅伝の期間中、「応援大賞」の選考委員として、交代で県内各地の応援風景を見せていただく。どんな人たちが、どんな趣向で待っているのか。ことしもいろんな工夫を凝らした応援風景を期待し、出会いを楽しみにしている。(社会部長・清田 透)
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