冬の寒い日は外出するのもおっくうなものだが、過日、別府市であった「ワールドキャッチボールクラシックin大分」は寒さを忘れてしまうほど楽しかった。なにせ現役ばりばりのプロ野球選手とキャッチボールできるのである。野球少年よりも大人たちの方がキャッチボールに夢中になっていた。
このイベントが県内で開催されるのは今回が初めてだが、開催地に選ばれた理由が「地元に四つのプロチームがあり、スポーツが盛んな地域だから」という。横浜ベイスターズの内川聖一、楽天イーグルスの鉄平と2年続けて県出身選手が首位打者に輝いており、県民の想像を超えて「スポーツ立県」と見られているのかもしれない。
さて、4チームの中核的存在とも言える大分トリニータが大ピンチだ。J2降格に加え、経営難が表面化。関係各機関の尽力で当面の危機は何とかしのいだが、依然予断を許さない状況。年末ぎりぎりに新体制が決まったが、多くのファンは不安な気持ちで年越しを迎えようとしている。
トリニータは県民、企業、行政が支えることで成り立っている。再生を果たすにはこの三者がそれぞれの立場でやれることをやり尽くすしかない。Jリーグへの支援要請は今は仕方ないが、借りるお金の性格を考えれば長く頼ることはできない。県民がつくり育てたチームなのだから一刻も早く県民自らの力で再生するのが本筋だろう。機運を高めるためにもまずは運営クラブが収入確保とコスト削減に必死で取り組む姿勢を示さなければならない。
トリニータは昨年初タイトルを獲得し、地方の弱小クラブでも頂点に立てることを証明した。これはJリーグの理念そのものであり、ほかの地方クラブにも勇気を与えた。地域ではジュニアの育成や住民との交流活動も活発で、県民生活とは切っても切れない関係にある。つらいことだが、今回の危機をさらなる飛躍への試練と前向きに受け止め、英知を結集しよう。スポーツを愛する県民の意地とプライドを懸けて。
(政治部長・田中竜)
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