J17年目の大分トリニータ。ナビスコ杯優勝で沸いた昨季から一転、来季のJ2降格が決まった。「1年でJ1復帰」を目指すチームにとっては、戦力を維持するための選手の人件費確保が重くのしかかる。
J1とJ2は運営費に大きな開きがある。2008年度のトリニータの収入は広告料が8億8800万円、入場料が5億4900万円。これにリーグからの分配金などを合わせ計21億8400万円。一方、支出は選手などの人件費12億9900万円に一般管理費など計21億7700万円。最終損益は200万円の黒字。
J118チームのうち半数が赤字を出す中で、3番目に少ない収入にもかかわらず黒字化した経営努力はうかがえる。しかし、一方で債務超過額は5億5800万円に上り、存続が危ぶまれる状況にある。
降格で広告料や入場者数の減少、選手の流出が懸念される。08年度のJ2計15チームの平均収入は9億8300万円。今のトリニータの半分以下だ。降格から1年で復帰したサンフレッチェは親会社のマツダが運営費を減額せず、選手の流出も最小限にとどまった。
他チームのような大企業のスポンサーを持たないトリニータには、チーム名の由来通り県民、企業、行政が三位一体で支えることが重要になる。また「溝畑(宏社長の)カンパニー」と思われている会社の経営透明性を高めれば、温度差のあった地元企業の支援が拡大する可能性もある。
地元スポンサーを集める旗振り役には、トリニータの生みの親でもある県が動かざるを得ないだろう。大分県にはプロスポーツチームが四つある。ひいきのチームを応援するため、県外からも多くのファンが観戦に訪れる。「スポーツツーリズム」で観光振興に結び付けるのも工夫次第だ。
地域活性化や青少年の健全育成などトリニータの貢献度は言うべくもない。J1の中でも家族連れの観戦が圧倒的に多いのも、県民に親しまれていればこそ。この危機を三者がもう一度団結し、強固なきずなを築くきっかけにしてほしい。
(経済部長・宗 丈善)
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